ご先祖様がついてくる【鬼滅の刃】

#10　音柱 ページ10

それから二ヶ月が経った。

任務はちゃくちゃくと進み、大きな怪我も負わずに済んだ。

この一ヶ月で新しい型も教えてもらった。


『鬼殺隊って、人手不足なんですね』

縁壱「そうだな」

『無惨もまだ、見たことないから特徴言われても朧気ですし』

縁壱「今と昔では時代が違う。人間として生活しているかもしれない。巧妙に紛れ込んでいる」


縁壱さんは絶対逃さないという顔つきをしている。

初めて会ったときは真顔が多い人だなと思ったけど、一緒にいる時間が長くなるにつれて縁壱さんのことがだんだんわかってきた。

だけど未だに分からないことはある。


縁壱「あれはなんだ？」

『あれは汽車ですね。人や物を乗せて長距離走ってくれるんです。一度に数百人乗せることも可能です。石炭で動きます』

縁壱「ほう……」


じっと黒い汽車を見る縁壱さんは絵になるな〜と思いながら私は歩く。


『藤の家に泊まりましょう。今晩は冷えますし』

縁壱「寒くないか？」

『大丈夫です！』


私は縁壱さんと藤の家に泊まった。

食事を食べ終え、湯船からも上がった。

一息ついていたら騒がしい音。

襖を開けて廊下を見ると高身長の男性一人と女性三人がいた。

鬼殺隊かな、と思いながら私は襖を閉じた。

お茶を飲みながら縁壱さんと話す。


『呼吸って、個人個人によって変わりますね。私も上手くできるようになれば鬼と同じように強く戦えるのでしょうか？』

縁壱「剣を極めた者が行き着く場所は同じところだ」

『解りました。頑張ります』

縁壱「……誰か来るな」


縁壱さんが襖をじっと見た。

廊下を歩く音も襖に影もない。


縁壱「誰だ？」

『誰でしょうか？何用で？』


特に声も反応もない。

あれ？と思っていたら襖が開いた。

そこにはさっきの高身長の男性がいた。

頭にキラキラ光る宝石をつけて両腕に金の輪をつけて、左目に化粧をした男性。

ドス、と私の前に座ってきた。


宇髄「俺は音柱の宇髄天元様だ」

『はぁ……柱ですか……』


いきなり部屋に上がってきて自己紹介したかと思うと自分の名前に様を付ける。

この人柱なのになん……は？柱？？？


『柱！？』

宇髄「おう！ド派手にな！」


なんかすごい自分のことアピールしてきた。

縁壱さんを見ると「私にはどうすることもできない」という顔をしていた。

というか初めて会った柱がこんな自己中的な人だなんて……

あ、初めて会った柱は元日柱の縁壱さんか。

私は変人を見る目で宇髄を見た。

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