#4 縁壱の過去*ネタバレ ページ4
それから縁壱さんの生前の話を聞いた。
双子の弟として生まれ、額に痣があることから狭い部屋に入れられ育ってきたこと。
幼い時、兄が笛をくれたこと。
母が死んだ日に出家しようとしたが寺に行かなかったこと。
鬼に妻と子供を殺されたこと。
鬼を追っていた剣士に妻子の死体を弔ってから鬼殺隊に入隊したこと。
十年振りに会った兄が鬼殺隊に入隊したこと。
鬼舞辻無惨という鬼の始祖をあと一歩のとこまで追い詰めたのに逃げられたこと。
兄が鬼になったこと。
その責任として鬼殺隊を追い出されたこと。
縁壱「陰陽道に陽と陰があるように双子にもあるとされていた。だから私は忌み子だった」
なんでこんなに淡々と話せられるのだろう。
私は気づけば泣いていた。
縁壱「私には、何の価値もない」
『そんなごど、言わないでよお"!』
嗚咽が止まらない。
『価値がない人生なんてない!貴方は素晴らしい人だ!どうじで……どうじてそんな卑下するの!』
縁壱「A……」
縁壱さんは固まっていた。
耳飾りが少し揺れている。
正直、私自身もドン引きしてる。
私どんだけ泣くんだよって後になって恥ずかしいと思った。
『貴方のこと初めは幽霊で怖いと思った。だけどこんな話聞いたら、貴方に非はなんにもないじゃん!私は無理だよそんなのッ……辛いよ…辛かったよね……泣きたいときに泣けなくて……信頼してた人に裏切られて……宿敵は…何千……』
縁壱「1800個の肉塊に別れ、四方八方に飛び散った」
『あんまりだよお"ぉぉ!!』
服の裾がドンドン汚れていく。
そんなのお構いなしに私は泣き続けた。
縁壱さんは私をなだめようと背中をさそろうとしてくれるが幽霊だからか、指が私の身体を通過してしまう。
縁壱「だけどもうそれは過ぎたことだ」
『ぐ、悔しくないの……?』
縁壱「私はもう死んでしまった身だ。君には声が聞こえ姿も見えるが兄上には私の声は届かないであろう」
『そんなのって……そんなのって酷すぎるよ…』
縁壱さんは悲しそうな顔をしていた。
縁壱「仕方ないことだ。ここで私は現世に留まるのであろう」
『嫌だ!私は縁壱さんをお兄さんに会わせたい!何が何でも!!』
縁壱「だが、そう簡単にできるものでは……」
『鬼殺隊に入隊すればいいんでしょう』
私は涙を拭った。
縁壱さんは少し驚いた顔をしていた。
だけどすぐ首を横に振った。
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灰色サーモン - まってwwwよくよく考えたら縁壱さんの顔で夢主がキャラ崩壊してるwww (2020年5月15日 2時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
名無し61903号(プロフ) - よりよりさん» とても綺麗で艶がある髪ですね。それに着物まで考えておられて素晴らしいです。夢主の容姿はそのようなイメージでいいですよ。私は読者の皆様が考える夢主の姿で物語を読んでもらえると嬉しいのです。気に入りましたありがとうございます(人*´∀`)。*゚+ (2020年3月10日 22時) (レス) id: f947700d9f (このIDを非表示/違反報告)
よりより - https://cdn.picrew.me/app/share/202003/15599_3aYynxVu.png Picrewの 馬酔木ヒカルさんの 和装女子メーカーをお借りしました 夢主ちゃんは こんな感じかなと勝手にイメージしてみました お気に召さなかったらすみません。 (2020年3月10日 22時) (レス) id: f27088ec53 (このIDを非表示/違反報告)
海月ひかる(プロフ) - 設定の所に、子孫と書いていますが、遠いなら末裔では?細かくてすみません (2020年3月10日 6時) (レス) id: 490f2474fb (このIDを非表示/違反報告)
わんこ - 緑壱さんが尊い()神作ですね。更新ふぁいとです! (2020年3月1日 15時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年2月22日 13時