#2 幽霊 ページ2
目が覚めたら夜だった。
いつまでも寝てたんだろうと思うのと湯船に入ろうとお腹が空いたという感情があった。
両腕がいまだに痺れる。
明日は学び舎に行くから早々にしないと、と思い襖を開けた。
そこには長い髪を後ろの高い位置で結び、耳飾りをつけて腰に刀を控え真顔で立つ男性がいた。
『ギャアッ!ビビらせないでよ!!』
思わず後ずさり『使用人にしては背が高すぎるな』と呑気に考え『あれ?こんな人いたっけ?』と冷静な判断を下す私もいた。
視線を下にすると足が透けていた。
『幽霊!?ドッキリ!?なんなのもぉー!?はあぁぁぁ!?!?』
「私の姿が見えているのか?」
『わあぁぁぁおおぉぉ!?』
思わず変な声を上げて背後の襖に後頭部と背中をぶつけた。
あまりの痛さにかがみ込んでいたら、
「驚かしてしまって申し訳ない」
と、随分とかしこまって優しい声をかけてくれた幽霊。
痛みには剣術をしているので慣れていた。
痛みに耐えながら視線を上げると真顔の男性の幽霊は私の額を見て顔を近づけてきた。
「痣が……」
『ウワアァ!!初めて幽霊見るけどこんな積極的なのって聞いてないよー!初めてが多すぎてもう情報過多だよ!?』
「名前はなんというのでしょう?」
『ええぇぇぇ……あ……東Aです』
初めて気絶して、初めて幽霊を見て、初めて見た幽霊に自己紹介をして……なんなのこの私の人生。
はあはあ言いながら落ち着きを取り戻していると幽霊が名を名乗った。
縁壱「私は継国縁壱」
幽霊……縁壱さんは私の前に正座した。
縁壱「ここはどこでしょうか?今は何時代なんでしょうか?」
え?……私、幽霊と話してる。ナニコレ。
心の臓が早鐘になっているのが自分でもわかる。
縁壱「心の臓が早いですね。落ち着いてからでいいです」
なんでわかるの!?
怖ッ!!なに!?もう意味わかんない!
とりあえず私は深呼吸して落ち着きを取り戻した。
『あの……今は大正時代です』
縁壱「大正時代とは……私が生きてたときは戦国だったので」
『戦国!?300年以上前!?ええぇ!?』
なんで幽霊の生前の話を聞いているんだろうと冷静な判断を下す私がいる。
なんで気絶しないのか分からない私もいる。
ボーッと縁壱さんを見ていたら今自分の服装が生足出してることに気がついて一気に恥ずかしくなりそそくさと足を正した。
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灰色サーモン - まってwwwよくよく考えたら縁壱さんの顔で夢主がキャラ崩壊してるwww (2020年5月15日 2時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
名無し61903号(プロフ) - よりよりさん» とても綺麗で艶がある髪ですね。それに着物まで考えておられて素晴らしいです。夢主の容姿はそのようなイメージでいいですよ。私は読者の皆様が考える夢主の姿で物語を読んでもらえると嬉しいのです。気に入りましたありがとうございます(人*´∀`)。*゚+ (2020年3月10日 22時) (レス) id: f947700d9f (このIDを非表示/違反報告)
よりより - https://cdn.picrew.me/app/share/202003/15599_3aYynxVu.png Picrewの 馬酔木ヒカルさんの 和装女子メーカーをお借りしました 夢主ちゃんは こんな感じかなと勝手にイメージしてみました お気に召さなかったらすみません。 (2020年3月10日 22時) (レス) id: f27088ec53 (このIDを非表示/違反報告)
海月ひかる(プロフ) - 設定の所に、子孫と書いていますが、遠いなら末裔では?細かくてすみません (2020年3月10日 6時) (レス) id: 490f2474fb (このIDを非表示/違反報告)
わんこ - 緑壱さんが尊い()神作ですね。更新ふぁいとです! (2020年3月1日 15時) (レス) id: e04dff07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し61903号 | 作成日時:2020年2月22日 13時