二人だけの【スクルド】(リクエスト) ページ43
パーティーを作って、ある程度の時が経つ。
パーティーのメンバーも次第に増えていって、エフェメラが抜けた後の話だった。
「よろしくね」
ある日、一人の男の子がパーティに加入した。
口数は少ないけれど、真っ直ぐと曇りのない面差しをしたその子は、私の話をよく聞いてくれたんだ。
その子はつい最近にキーブレード使いとしてルクス集めを始めたらしい。
けれども、そうとは思えない様な鮮やかな手つきで、Aは順調にミッションをこなしていた。
やんわりと笑っては私の話を傾聴する反面、戦闘で覗かせる大きい目標を持ち得る様な強い心。
そんなかっこいいその子に、一緒に過ごす時間が増えれば増える程、私はどんどん惹かれていったの。
「……スクルド」
「どうしたの？ A」
ある時、こちらにやって来たAは憂わしげな顔をしていた。
私が呼びかけに応えると、その子は少し目線を下に向けては、訥々と話し出す。
「最近……パーティーを抜ける人多いよね。
スクルド、気にしてないかなって思ったんだ」
ああ、成る程。そう言うことね。
「いいのよ、パーティーに入るか抜けるかなんて自由だもの」
私は笑うと、そんな事を述べた。
……嘘。 本当はキミだけは絶対、抜けさせる気は無いよ。
他のパーティーメンバーはもういいの。
その内、みんな離脱させるつもりだから。
「ねぇ、A」
私はその子の名前を呼ぶ。
Aは気付くと、顔を上げてはこちらを見た。
「……Aはずっと私といてくれる？」
唐突だったろうか。
そんな問いを投げかけてみると、その子は呆けた様に首を傾げる。
すると、やっと意味が理解できたらしい。
我に返ったAは大きく頷くなり、私には眩し過ぎるくらいの笑顔を向けた。
「うん、オレはキミをひとりぼっちにはさせないよ」
「例え、他の人がみんないなくなっても？」
「……オレは、スクルドの側に居続けるから。そうなっても、いつもみたいに一緒に話そう」
そう言った隣にあるその子の手が、私の手に重ねられる。そして、そのままぎゅっと握られた。
なんて幸せなんだろう。
……早く、早く実行しなきゃ。
二人だけの世界を確立するんだ。
「好きだよ、A」
二人だけのパーティーで、その声が鮮明に響いた。
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レフト(プロフ) - ご満足頂けたようで何よりです。ソラさんもわざわざこのような小説にリクエストして下さり、誠に有難うございました。 (2019年5月27日 22時) (
レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです！ありがとうございました (2019年5月27日 5時) (レス) id: 788aead105 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - ムスメ3さん» 今までのご閲覧、誠に有難うございます。ムスメ3さんから頂いた沢山のリクエストは非常に捗りました。 (2019年5月27日 1時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - すごい面白かったです！完走おめでとうございます！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - いちごみるくさん» 四ヶ月という時間を掛けて漸く完結致しましたが、初期の方から見て下さったいちごみるくさんには感謝しきれません。今までご閲覧頂き、本当に有難うございました。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェトルクス | 作成日時：2019年1月25日 0時
