君を守る為に【ロクサス】(リクエスト 甘) ページ4
「終わった……」
身体を動かしたことによって滴った汗を拭う。
よし、今日はこれで大丈夫だな。
手元からキーブレードを消した俺の周りには、無造作に人が転がっていた。
ピクリとも動かないそいつらはどれもこれもAに近付こうとした嫌な奴ら。任務とは全然関係が無いけど、こうしなきゃ何かが収まらなかった。
……Aはよく、色々な事に巻き込まれる。
それはAが可愛いのもあるけど……やっぱり惹きつけられるものを持っているからかな。
……そんなあの子を俺が守らないと、あの子がいなくなってしまう。
それが嫌で、とても嫌で。
初めて会ったその時からそんな思考が離れる事が無かった。
「A、いるか?」
あの子の個室がある白い扉の前に立ち、ノックして声を掛けても反応が返ってこない。
……何でだろう?
任務はとっくに終わっている時間だし、他の場所に居なかったからここにいる筈なのに。
「……Aっ……!」
まさか、と思って、俺は慌てて扉を開ける。
すると、急いで足を踏み込んだその部屋には、ベッドに寝転んですやすやと眠っているAがいた。
「よかった……寝てたんだな」
安堵からか大きく息を吐く。
そして、何となくだけどそのベッドに近寄って、上からその子の顔を覗いてみた。
「……可愛いな」
まるで何も知らずに、小さな寝息を立てて眠っているA。
俺はその子の手に自分の手をゆっくりと重ねると、静かにその子を見据えて言った。
「……Aに近付く奴は全部消すから。
だから、いつまでもずっと一緒だ」
「ん……? ……ロクサス……?」
「!」
長い睫毛を瞬いて、Aが起きた。
でも、様子から見て今言った事は聞かれていないみたいだ。
「私に何か用があるのか……?」
「い、いや、別に……Aがここに居るか見に来ただけだから……」
「?……そうか」
素っ気なく「おやすみ」と、一言残してまた眠り始めたその子に、俺は一つ口にキスをする。
何だか顔が熱くなってきて、足早にその場を去った。
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レフト(プロフ) - ご満足頂けたようで何よりです。ソラさんもわざわざこのような小説にリクエストして下さり、誠に有難うございました。 (2019年5月27日 22時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!ありがとうございました (2019年5月27日 5時) (レス) id: 788aead105 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - ムスメ3さん» 今までのご閲覧、誠に有難うございます。ムスメ3さんから頂いた沢山のリクエストは非常に捗りました。 (2019年5月27日 1時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - すごい面白かったです!完走おめでとうございます! (2019年5月26日 19時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - いちごみるくさん» 四ヶ月という時間を掛けて漸く完結致しましたが、初期の方から見て下さったいちごみるくさんには感謝しきれません。今までご閲覧頂き、本当に有難うございました。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェトルクス | 作成日時:2019年1月25日 0時