君は私の事を知らない【ナミネ】 ページ23
「……会いたいなあ」
お屋敷にある白い部屋の中。
クレヨンでまた一枚描き終えた絵をぼんやりと眺めながらも、私はそんな事を呟く。
その絵も、またその周りに散らばっている絵も、全て一人の男の子の絵が描かれていた。
紙に描かれた笑顔の男の子。
実は、まだ会った事すら無いの。
ただ、その子はソラやカイリの心に強く刻まれている存在で、私にもその記憶が流れて来てるだけ。
……それだけでも、私はその子の暖かさに触れられた気がして、段々と身体に染み込む様な感覚と共にその子に惹かれていった。
それからというもの、私はずっとその男の子の絵を描き続けている。
流れてくる記憶を頼りに、私にとってのその子の像を描き作る。
そう、それは10枚でも、20枚でも。
いつか会えるその日まで私はその子を思い描き続けていたの。
「……A？」
ある日、屋敷の外から誰かが走ってくる様な足音が聞こえてきた。
少しびっくりして白いカーテンからこっそりと外を覗いて見ると、そこには見覚えのある姿があった。
それは、髪の毛を靡かせて、朗らかな笑顔を見せる、記憶に見ていたあの子。
話してみたい衝動に駆られ、窓を開けてその子に呼びかけると、その子は首を傾げた。
「そうだけど……何でオレの名前知ってんだ？どっかで会った事あるっけ？」
「……ううん、無いよ」
「えー？」と、更に疑問を深めた様子のA。
一つ一つの動作や声は確かに私が知っているあの子で。あの人達の記憶にあるAとも本当に変わりがなかった。
……でも、私が思い描いていたあの子とはちょっと違う。だって私を知らない。
結局、記憶にあるあの子の笑顔はソラ達に向けていたのであって、私ではなかったから。それは知ってたの……知ってたんだ。
___でも、もう耐えられない。
A……私、もう独りは嫌だよ。
人を傷付けてしまうのが怖くて、あまり使いたく無いこの力……ソラとカイリと強い繋がりを持つキミになら使えるんだ。
「はじめまして、A」
ニコリと笑って発した言葉に、その子は首をかしげる。
「……？ はじめまして？
オレ達はずっと一緒だっただろ？ ナミネ！」
いつも通りの、元気な様子でAも私に笑いかける。
___ようやく、私に向いてくれた。
お前の意思なら【アクセル】(リクエスト)→←愛しさ故の不安【ソラ】(リクエスト 依存)
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レフト(プロフ) - ご満足頂けたようで何よりです。ソラさんもわざわざこのような小説にリクエストして下さり、誠に有難うございました。 (2019年5月27日 22時) (
レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです！ありがとうございました (2019年5月27日 5時) (レス) id: 788aead105 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - ムスメ3さん» 今までのご閲覧、誠に有難うございます。ムスメ3さんから頂いた沢山のリクエストは非常に捗りました。 (2019年5月27日 1時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - すごい面白かったです！完走おめでとうございます！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: a84e4bce58 (このIDを非表示/違反報告)
レフト(プロフ) - いちごみるくさん» 四ヶ月という時間を掛けて漸く完結致しましたが、初期の方から見て下さったいちごみるくさんには感謝しきれません。今までご閲覧頂き、本当に有難うございました。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 472b62e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェトルクス | 作成日時：2019年1月25日 0時
