目黒先生の独占欲。＿＿＿ Ⅱ (ページ3)

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家を出て、2人並んで歩く。

手を繋ぐこともせず、無言のまま。

通勤ラッシュの時間帯。

いくら急いでいたとしても、
やはり目につくことは目につく。

しかも人多いし。

俺は全然良いんだけど、康二くんが嫌だったらと
思ってあえて何もしない。

「、わっ、めめ…！」

「…っと。大丈夫？怪我してない？
あ、痛いとこもない？」

「ふっ、心配し過ぎや(笑)」

後ろから走ってきた人にぶつかって、
転けそうになるのを受け止める。

必然的に抱き締めるような姿勢になるけど、
そのまま引き寄せる訳も行かなく、渋々離す。

と、康二くんは握っていた手に力を込めた。

「………離さなくて、ええで？」

「、え？」

「その……手。
握ったままが良い…なって……」

恥ずかしさからなのか、ほんのりと頬を染めて
視線を反らしながら言ったその言葉。

いや、何。このなんとも言い難い感情。

今すぐにでも家に帰って抱きてぇ……。

「い、嫌やったら全っ然ええねんけど、」

「嫌な訳ないじゃん。寧ろ嬉しい」

「……なら、良かった」

握手の状態から指を絡ませる繋ぎ方をすれば、
康二くんは一瞬目を見開いて俺を見るけど、

すぐに満面の笑みを浮かべて前を向く。

俺以外の人でも、きっとその笑顔は
幸せに満ち溢れてるものに見えるはず。

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