前言撤回 ページ20
「……だあああああああ！
絶対あの人入水しようとする！！！」
前言撤回。
梶尾A、太宰さんを迎えに行きます。
探偵社からこのホテルまでは一本道だ。
つまり太宰さんは、その道にある川の近くか、綺麗な人の近くにいる。
そこまで条件が絞れたら、後は簡単だ。
万が一の事も考えて、私は今梶岡に成っている。
服装はいつもと違ってラフなTシャツにジーパンだけど。
川沿いの小道を眺めていると、案の定、居た。
大きめの茶封筒と小さな箱を持って、川沿いでウズウズしている。
ぎりぎり間に合ったみたい。
「だーざーいさーん」
「おや、その声は…梶岡さんだね」
「察しが良くて助かります」
太宰さんは、そのへんの女の人だったら顔を真っ赤にしそうな綺麗な笑顔を私に向けた。
私はもう見慣れて、何とも思わないけど。
「ていうか、太宰さんまた川に入ろうとしてましたよね？」
「いやァ、久し振りに外出したものだから…つい、ね」
嫌に綺麗なウィンクをしながら、太宰さんはそう言った。
イケメンは何をしても様になるからズルい。
「つい、じゃありません！全く…。
あ、国木田さんから預かってる物ください」
危ない。すっかり本題を忘れるところだった。
「はいはい。
この茶封筒に入っているのが今回の資料で、この箱に入っているのがインカムだよ。」
「はい、確かに受け取りました」
受け取った物はすぐに持ってきた鞄にしまった。
「太宰さんの懸念が、本当に起こってしまいましたね…」
「嗚呼。裏の業界に少しでも出回った時点でこの状況になることはほぼ確定していた。
このような状況になることは予測出来ていたのだけれど、予測出来るものを全て防げるとは限らないからね。」
予測出来ていても、それを全て防げるとは限らない。
全くその通りだ。
ふと、強い風が吹いた。
いつもより短い髪が靡(なび)いて、顔に当たる。
「この件をなるべく丸く収めるためにも、私はこれから早めに行動を取ります。」
「遠回しに、『明日決行するという事を国木田さんに伝えて』って言ってるように聞こえたのだけれど？」
「察しが良くて助かります」
それじゃあ帰りに美女と心中出来ないではないか、と文句を言い出す太宰さん。
そんな事をしてごらんなさい。すぐに通報されるよ。
*
2018/09/15
決行を『今夜』から『明日』に変更しました。
作者の確認不足です。すみません…。
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みあ(プロフ) - 一気読みしてしまいました…っ！続きがめちゃくちゃ気になります！！！更新お待ちしております！！ (2020年2月14日 2時) (
レス) id: 5ed90a1a36 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - すごく話が面白く、続きが気になります！！今更ですが、良かったら更新してほしいです！！！気長に首を長くして待ってますw！！ (2020年2月13日 19時) (レス) id: 2ec471160d (このIDを非表示/違反報告)
なづ(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!!!お返事が遅くなり、本当にすみません…。これからはなるべく更新出来るようにしますので、よろしくお願いいたします((*_ _))ﾍﾟｺﾘ (2019年5月5日 20時) (レス) id: aeae5a505f (このIDを非表示/違反報告)
はる - 面白いので好きです。続きが気になりますので早く更新してください。【求む更新】どうも はる でした (2018年11月26日 21時) (レス) id: d352232727 (このIDを非表示/違反報告)
なづ(プロフ) - AtRファンさん» コメントありがとうございます！いつも見てくださっているとは…！楽しんで読んで頂けて、嬉しい限りです！！更新頑張ります！ (2018年9月27日 21時) (レス) id: aeae5a505f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なづ | 作成日時：2018年8月17日 23時
