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『ちっちゃい会社の事務員やってたんだけどね』
『そこの会社、私と後輩1人以外全員男の人しかいなくて』
『それが嫌だからって言われて』
『サラッと辞めちゃった私って無責任だよね……』
『今養われてる身だから何も言えないの』



悲しそうにそう語った彼女。
学生時代、週4で入っていたアルバイトはとても楽しそうにしていて。

人のため。に動くのが本当に好き何だって思っていた。

それが裏目に出て、今は彼氏の為に仕事まで辞めて。
こんな仕事してて、凄い楽しかったんだよ〜と話す彼女の目はとても輝いていた。


ねぇそれでいいの?
僕なら仕事辞めてなんて言わないよ。
君が楽しいって思うこと、奪い取ったりしないよ。

今の彼氏といて、本当に楽しいの?




「おい」



2人、アパートの下で別れを名残惜しんでいるとふと声が掛かる。
外階段から僕らを見下ろしている彼は、きっと彼女の今の相手。

僕と違って、逞しそうな身体。
それでいて、何処か威圧的な風貌は、初めて見る僕にとって少しだけ怖いものだった。




「ごめんなさい、帰ってたんだ……
晩御飯食べてきたの、昔の友達で……」

「あぁそう。
うちのが世話んなりました、送って頂いたみたいで。
ありがとうございます」




上からではあるものの、頭を下げた彼。
そんなことよりも、僕の心に小さな傷を負わせたのは、彼女の些細な一言。


"昔の友達”


そりゃそうだ、昔の彼氏だなんてそんな紹介誰だってしないだろう。

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作者名:M。 | 作成日時:2019年9月26日 22時

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