時間は無慈悲で。 ページ27
結局、あの後も上手く生徒会役員の反応を聞こうとするが誤魔化されて聞けなかった。
月曜日の朝である今ですら大丈夫かと心配しているのだが、彼らにはなにかやましいことがあるのだろうか。
靴を履きかえ、きて1週間で覚えてしまった廊下をなれたように歩く。
「あっ、あの、」
「え、」
少し期待していた声がして、Aは思いきり後ろを振り返る。そこには少し恥ずかしそうに声を漏らしながら慌てているロボロが立っていた。
「あ、の、その...」
「...?」
「おっ、おはよう!!」
やがて意を決したのか、口を開いて出た言葉は“おはよう”の一言だった。そんなにも考え込んで発言するものだったのかとAは少しおかしくなり、くすりと笑っておはよう、と返す。笑っているAをみてロボロは顔を赤くし、笑わんでもええやろと頬を膨らませた。
「いや、だって挨拶ってそんな考えて言うものじゃ...ふふっ」
「...俺女子に挨拶するの頑張ったんやけど」
「知ってますよ」
と言いつつも笑うのを辞めないAは、ロボロをみて笑いを堪えて飲み込むとクラスを聞いた。せっかくならば途中まで一緒に行こう。その方がきっと彼のためになる。同じクラスではないものの、隣のクラスだったロボロは廊下を歩きながらAをちらりと見る。しかし、目をそらそうとも視線に鋭いAはすぐにロボロの方を見てしまいぱちりと目が合った、
「...?どうしました?」
「敬語、同い年なのに要らん、から」
「あ、あぁ...じゃあやめるね。」
そういえば同い年だった。
Aはそう言って笑うと、ロボロは少し軽くなった心で笑い返す。
「あ、今笑った!」
「な、なんやねん!俺やって笑うことくらいあるわ!」
「ロボロくんの笑った顔可愛い!」
「う、うるっさいねんお前ぇ...!!」
緩んだ頬を隠し、ロボロは真っ赤になった顔でAに向かって叫んだ。
226人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三浦(プロフ) - 凄い良いお話で読んでてうるっときてしまいました…! (2019年4月19日 5時) (レス) id: 49a01b0035 (このIDを非表示/違反報告)
ミズノタニ@wrwrd!煽り組、ら民 - あー、こう言う系好きです。復讐?系 (2019年3月30日 16時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
シュウ - わああ!これ好きです!頑張ってください! (2019年3月30日 12時) (レス) id: d11fb52744 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くるす*
作成日時:2019年3月25日 22時