【w。r。w。r。d】こちら、名折れ捜査サーカス団員。 (ページ15)

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最後の悪夢。ページ15

最後の昼休み。
かえではいつもの様にレナにつれられて空き教室に来た。手には生徒会の資料の入ったらファイルが握られており、Aもその後を物陰に隠れながら追った。

「で、生徒会の資料終わったんでしょ？早く出してよ」

「う、うん、はい...」

中身も確認せず、レナはファイルを奪い取ると礼も言わず教室を出ていった。Aも出ていったレナを確認し、カメラと録音機をしまうと空き教室にそそくさと入ってかえでを抱きしめる。小さくかえでが声をあげたが、Aは気にもしていない様子だ。

「おつかれ、かえでちゃん。今日で最後だよ」

「ほん、とに...？」

「うん、あとは任せて。」

今日の放課後、私がきちんと片付けてくるから。
Aがそう言うと、かえでは安堵して息を漏らす。未だ現実を受け入れられてないのか、下を向いて黙り込んだままだ。その状況をAも理解しているのか、話しかけようとはせず頭を撫でて口を噤んでいた。
数分経った頃、かえでが小さく口を開いた。

「...ほんとに、生徒会の一番大事な資料をAちゃんに渡して良かったのかな、」

「大丈夫だよ、生徒会が1番恐れてるのは一般生徒の情報漏洩だから」

「...でも、それでAちゃんが追い出されたり追い詰められたりしたら、」

だんだんと早口になっていくかえでの唇に人差し指をそっと当てると、Aは呆れたようにため息をつく。そして、自信満々な笑みをみせて彼女は言い放った。

「私たちは事実を知ってるんだよ。いくら嘘をかぶせて誤認識をしたところで事実は傷一つなくそのまま残ってる。」

被せられた布(嘘)を私たちが引き剥がすだけなんだから。