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28個目 ページ28
エーミール side
エーミール「A。」
A「...負けちゃった」
弱々しく彼女は笑った。
そりゃそうだ。この国の戦力の8割は彼女なのだから。
化け物だと噂されるのも彼女。
どこからとも無く弾丸を飛ばすのも彼女。
国王に負けは許されないと教育されていたのだから、彼女は自己嫌悪に襲われているんだろう。
エーミール「...もうええよ。頑張った。Aは悪くない。頑張ったな、辛かったな、苦しかったやろ。もうええんやで。」
そっと彼女を抱きしめる。
小さく、少しひんやりと冷たい。
泣き声も、何もかも聞こえないがそれでもいい。
彼女が自分の言葉に元気づけられて、泣いて、心を開いてくれなくたっていい。
無理やりにそんなことをしなくても、彼女は知ってくれている。
気持ちを受け止めてくれている。
A「...エミさん、」
エーミール「なんや？」
A「...また3人でやろうよ。また会いたい。」
エーミール「...一緒に探そう？見つかるから」
A「うん、」
子供のように無邪気な笑顔を見せてくれた彼女にこちらが安心する。
足音がし、抱きしめていた手を離すと彼女も足音に気がついたようで、自分から離れて音のする方向を見た。
トントン「...エミさん。」
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作者名：くるす*
| 作成日時：2018年2月28日 23時
