【名探偵コナン】僕を見つけて。【男主】

06. ページ8

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『…いらっしゃい。お母さん。』

「久しぶりね、蒼伊。」

『……此処にいるのも何だしあがって。』


母親を家に上がらせ、僕は家の扉を閉めた。


「…本当にこのアパートで大丈夫なの？お母さんがもっと良い場所探してあげるから…。」

『お母さん、私はこの場所でいいの。
自分で稼いで買った方が達成感感じるし…
兎も角お母さんにそれだけ指図されるのはやめて』


「そう…？蒼伊がそう言うならもう口出しは言わないけど…。」

『それより…お昼はどうするの。ハンバーグなら作れるけど…』

「あら、作ってくれるの？嬉しいわ、蒼伊が作ってくれる料理が食べられるなんて…！」


本当は蒼伊じゃなくて僕なんだけどね…
そんな事口が割れても言えないよ、

本当の事…蒼伊はもういない事伝えたとしてもそのことに関する話題には聞く耳を持たないし、
もし、蒼伊がいない事が理解すれば…倒れる可能性が高い。


それ程、蒼伊が好きだった。


長男である僕なんかは視界に入ってないくらいに。



…蒼伊として偽ってる僕を見て欲しくない。


本当の僕を…


【椎名A】を見てほしい。


【偽りの自分】から、


【本当の自分】を見つけてほしい。


誰でもいいんだ。

この思いを…誰かに聞いてほしい。

ただ、聞いてくれるだけでも…いいんだ。

僕をこの偽りの自分から抜け出したい。



「蒼伊？どうかしたの？」

『…っ、な、何でもないよ…。』



本当の自分を失ってしまいそうで怖いんだ。






・






・







・






「美味しいわ！いい出来だわ！流石、蒼伊ね！
いいお嫁さんになるわ！」


『…私には結婚は早いよ。』

「そう？」


結婚なんて、出来ないよ。

恋人すら出来ない自分だ、結婚なんて言葉は出てきやしないよ。


人ともあまり関わってないから、コミュニケーション力なんてゼロに近い。

かろうじて頼れる教師とか僕を昔から知ってる知人はスラスラと話せる事ができた。


今更になって後悔する。
もっと人と話して慣れておけば良かった。

友達、作っておけば良かった。

などと、後悔なんて言葉がどんどん出てくる。


「…そうだわ。いい人がいたら紹介するわね！」

『え、それは止めて…そういうのは、自分で決めたいから』

「あら、そう？」

正直言って母親の相手は疲れるな…

上京してきて良かったな…

正直不安だったひとり暮らしも何とか苦難を乗り越えそうな、そんな自信が湧いてきた。
＿＿＿＿＿＿＿＿
駄作…(´・ω・｀)

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