01. ページ1
✘
僕は椎名A。
列記とした日本人だ。
「蒼伊、此方においで。」
蒼伊という名前は今は亡き妹の名前。
蒼伊は小さい頃、病気で死んでしまった。
幼かった蒼伊。
小さかった蒼伊。
あどけなさがまだあった蒼伊。
母親は蒼伊の事を溺愛していた。
ずっと前から女の子が欲しいと言ってから蒼伊が生まれたとき嬉し涙を流してたのを覚えている。
蒼伊が亡くなって暫くは悲しみ部屋に引きこもり蒼伊の名を呼び続けてた。
…そんなある時、
母は僕の事を【蒼伊】と呼び始めた。
僕は『蒼伊じゃないよ。』と、否定し続けたけれど
母親は聞く耳も持たず、蒼伊と呼んだ。
父親は僕に「ごめんな。」と一言謝って仕事に出かけていったきり家に帰ってこなかった。
……父親に、捨てられたのか。
悲しかった。
母親は精神的に病み、面倒を見ていた父親は疲れて家を出ていった。
残されたのは精神的に病んでる母親と健常児である僕だけだった。
…この時、僕は小学校1年生の頃だった。
・
・
・
・
それから、母親に元に戻れるかもと信じ込み僕は蒼伊に成り切ることにした。
母親の言う通りイヤイヤでも髪を伸ばした。
服装もワンピースとまではいかないけど男の子らしい服装をさせてくれなかった。
もうそうなってからは友達も減っていった。
1年生だった僕はとても悲しかった。
父親から事情を聞いている担任の先生は見捨ててくれなかった事が唯一の救いだった。
『お母さんの為だ。元に戻れるんだったら僕はなんだってやる。我慢する。』
そうやって生き続けて十数年母親は少しずつだけど元に戻りつつあった。
僕の事を蒼伊と呼び続けてるが、、
『じゃあ、行ってきます。…お母さん。』
「行ってらっしゃい。着いたら必ず連絡してね。
…"蒼伊"」
『…っうん。』
23歳のある日、
僕は上京する。
母親を残して上京するのは気が引けるけど折角の機会だししてみようと思った。
母親も難なく許可を得る事が出来た。
『………っはあぁ〜……』
家を離れたのを確認すると溜息を溢す。
どっと疲れが出てきた気がして堪らなかった。
『…母さん、大丈夫かな…』
一人残して上京してしまっけど、
不安でしかなく今更ながらも後悔を少ししている。
でも、母親も大丈夫だと言っていたし信じて見る価値はある。
『仕事、見つけられるといいな』
202人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊.(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます。粘れば続けそうでしたけど長く続くと自分の気力が落ちちゃうので無理矢理終わらせちゃいました。笑私にとっては男主の方が何かと作りやすいですからね。恋愛もないし笑またの小説も頑張ります (2019年8月19日 23時) (レス) id: c4e754f3c1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - でも、コナンくん達と出会って色々あり、やっとの事で家族全員ハッピーエンドを迎えたのを見て感動しました。欲を言えば、もう少しお話を見ていたかったですけど(笑)、んー、まあ…その、お疲れ様でした。これからも、面白い小説待ってます。笑 (2019年8月19日 23時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 完結おめでとうございます。一時期、男主の作品にハマっていて偶然見つけたのがこの作品でした。不運な事故で妹をなくし、妹の代わりに女の子として育っていた主人公を見て可哀想だな、と思いました。 (2019年8月19日 23時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
柊.(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます。久々に誤字りました(笑)また、誤字がありましたらよろしくお願いしますね(笑) (2019年8月15日 17時) (レス) id: c4e754f3c1 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 21話に誤字がありました。「マカでミンショー」ではなく、「マカデミーショー」です。 (2019年8月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊. | 作成日時:2019年6月14日 19時