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・
海人も、前に進んでいる
そんな中私はまだ、あの記憶に縛られたまま。
私の視線に気がついた海人が、照れ臭そうに笑った
『………結婚、したの？』
「うん。ほんとついこの前だけど」
『………それは、おめでとう。』
「ありがと。幸せだよ」
震える私の声に、安心して、と言うように、
海人がふわっと微笑む
みんなもう、過去のこと。
海人のその笑顔を見ながら、思い知る。
海人は無理に忘れなくてもいい、なんて言ったけど、
それじゃ私、何も成長してないじゃん。
まるでいつまでも、子どもみたいじゃん。
・
『じゃあ、そろそろ。』
「あ、もう帰る？」
しばらく話をしてから、海人にそう言うと
そっか、と、寂しそうにその視線を泳がせる彼
立ち上がった私、海人も後に続く
「また来てね」
『うん、また来るね。海人、本当にお幸せに』
君の幸せが聴けて、心から嬉しいよ。
去り際の、私の想い
海人はそれを、確かに受け取ってくれたみたいで、
またそっと、花が咲くように笑った
「ありがとう！A」
「Aには、感謝してるよ。」
きらきら。笑ったままの君
真っ直ぐに私を見つめるその視線が、眩しい
「Aもきっと、幸せになれる。」
『……うん、そうかな。』
「なれるよ！てか、なるよ。」
励ますかのように、小さな拳を振る彼
幸せになれるかな、私。
海人、君みたいに前を向いて、
君みたいに明るく、笑えるようになるかな。
『………ありがとう。とりあえず、また来るね』
「うん！おまちしております。」
最後は、礼儀正しく頭を下げた海人
パッと顔を上げても、まだ最高の笑顔
またね！と、可愛く私に振られた指先
ひとり、外の世界に出て行く私
見上げた空は、澄み渡っている
私がティアラに来る時は、なぜかいつも気持ちいいくらい晴れていて
元気出しなよ、と、空にすら励まされている気がした
あなたがいない幸せなんて、あり得ないと思っていた。
だけどそれも、もしかしたら私の思い込みで、
あなたがいなくても私、幸せになれるのかな。
海人の笑顔が、また脳裏に浮かぶ
幸せそうで、今まで見たどの表情よりも、
綺麗で、純粋だったその笑顔。
どうしても自分の今と彼を、比べてしまった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
