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やがて、日が暮れる
「Aさん、ちょっと散歩しない？」
やっと私の涙が落ち着いた頃、
永瀬さんは、うんしょ、と伸びをしてからそんな提案をしてきた
「ここんとこお店暇やし。ちょっと出るくらいなら大丈夫やと思う。てことでどう？」
『いいんですか？』
「おん、マスターもそういうんうるさい人やないから」
永瀬さんに促され、席を立つ
なんだか申し訳ない気持ちになりながらも、
私は彼と一緒に、お店を出た。
「駅までは行かれんけど、商店街くらいまで送る」
『すみません、ありがとうございます』
「いっつも試作見てもらっとるし？全然よ」
商店街。ふたりで歩く。
少しばかり不自然にあいた、私たちの距離
ただ前を見て、進むだけ。
ここにも、岸さんとの思い出がある。
イルミネーションの穴場を教えてもらった時とか、
駅まで送ってくれた時とか、
あなたとのいろいろな瞬間を、また思い出してしまった
岸さん、今どこで、何をしているんですか。
「…………Aはさ」
その時、唐突に呼び捨てにされた、私の名前
それに驚いて永瀬さんを振り返ったけど、
彼の方は特に何も、気にしていないみたいだった。
『………はい』
小さな掠れ声で、返事をする
すると永瀬さんが、浅く息を吸った。
「………まだ、岸さんに会いたかったりするん？」
唐突に、夜を切り裂いたその質問に一瞬、
私の思考回路が、止まる
息が詰まる
会いたい。もちろん会いたい。
だけど、ここで会いたいなんて言っても、何も変わらない気がして。
『………どうしてそんなこと、聴くんですか』
逃げ道のつもりで、彼にまた質問を返す
すると彼はバツが悪そうに、あ、いや。と声をあげた
「いや、深い意味はないよ。ちょっと気になって」
『そうですか、』
「………さっきの。泣くくらい会いたい？岸さんに」
踏み込んでくる。彼は容赦なく。
何かを言いたそうにしている雰囲気が伝わる
だけど、それがよくわからなくて
永瀬さんにもう一度、聞き返してしまった
『………もしそうだったとしても。それを知ってどうするんですか』
「………まあ、せやな。…………すまん、今のなかったことにして。」
歯切れの悪い永瀬さん
そんな姿を、初めて見た気がした。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
