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「行こ、Aちゃん」
突然、ふたりきり
外はもう真っ暗で、あなたの表情が見えない
とりあえず歩幅を合わせ、駅へと歩き出した
「大丈夫？寒くない？」
『……平気ですよ』
「そっか。」
『、はい』
沈黙。
会話の仕方を忘れてしまったかのように、
私たちの間には、言葉が少なかった
あなたはただ、私の横を歩くだけ。
時折ちらりと、私を見るけど、
話しかけたり、触れたりもしない。
私って、岸さんにとってなんなんだろう。
もうあなたがわからなくなってから、ずいぶん経つ
だけど私はまだ、その迷路から抜け出せていなかった
あなたを、知りたい。わかりたい。
そう思うと同時に、
あなたに対するひどく冷え切った感情が芽生え始めたことも、
自覚している。
「Aちゃん、なんかあった？」
横から聞こえてきた質問に、少しだけカチンとくる
わかってるでしょ？それとも本当にわかってないの？
ふと様子をうかがってみたけれど、
あなたと目は、合わなかった。
『………なんか、ありましたよ、』
言うつもりじゃなかったのに、
こちらを見なかったその真っ黒な瞳に、つい、
言葉が、滑り落ちた。
「………何があったの」
岸さんの声が少し、低く落ち着く
だけど私は逆に、あなたに質問をした
『岸さんこそ、どうしたんですか？』
「………え？」
『いいんですか、あの女の人がいるのに、』
「………、」
『………私のことなんか、見送ったりして。』
言ってしまってから、泣きそうになる
もう、どうにでもなってしまえ。
悔しかった、やるせなかった
私じゃなんにも、あの人には勝てない気がしていた。
「………なにそれ、どういうこと？」
岸さんの、慌てた声が聞こえる
こちらに視線が向いているけれど、
私は目を、合わせられなかった。
「Aちゃん、待ってよ。」
あなたが、立ち止まった気配がする
私の方も思わず、歩みを止めた
振り返らない、振り返れない
「なんでそんなこと言うの」
『、だって岸さんが、』
「俺が何？」
ねえ、受け止めてくれますか。
こんなに子どもっぽくて、
わがままな、私でも。
『………岸さんが、わからないから。』
あなたの、息が止まる
でも知りたくて、わかりたくて、
私はやっと、あなたを振り返った。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
