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そのままそこで、ゆっくりと言葉を交わす私たち
話の途中、ずっと手は繋がれていて
たまにふらりと交わる視線が、くすぐったかった
「Aさん、今日親とか来る予定あるん？」
「あ、はい、多分そろそろ、」
「は？！そうなん？？マズいやん、もっと早く言えや」
私の返事に、廉さんは慌てて立ち上がる
「ほら行くで。なんで言ってくれなかったん？」
「だって……そうしたら廉さんとの時間が短くなる、じゃないですか、」
言おうか迷った。だけどこれは、伝えた方がいい気がして。
素直に告げた想いに、廉さんは少し苦しそうに眉間にシワを寄せた
「………はー、マジ反則やわ。」
「、反則、ですか、」
「おん、間違いなく。」
廉さんが困ったように頭を横に振る
反則、という言葉にどれくらいの感情がこもっているのかわからなかったけど、
なんとなく、私の言葉が嬉しかったのかな。なんて。
「じゃ、ほら。先に部屋戻ってください。俺は時間ズラして帰るんで」
「わかりました。またね、廉さん」
小さく手を振り合って、中庭を出る私
幸せな気持ちで自分の部屋に向かおうとすると、
「こんにちは、Aさん」
「あ、こんにちは、」
最近よく部屋に来る医者と、中庭のすぐ外ですれ違った
途端に心臓がどきどきして、怖くなる
思わず医者の行く先を目で追うと、
彼は、廉さんがまだいる中庭へと入っていった。
どうしよう、見られてしまったかもしれない。
どうしよう、そこに廉さんが居るのに。
思わずその場に立ち尽くしていると、医者と廉さんの会話が、聞こえてきた
「永瀬さん、こんなところで何をしているんですか？」
「……あー、どうも。散歩、ですかね。」
廉さんの、小さな声。私の手に、汗が滲む。
医者がふう、と息を吐いた
「………永瀬さん今、誰かと話していませんでしたか？」
息が、止まる。
重苦しい沈黙が流れ、空気がピンと張り詰める
廉さん、どうしよう。私、
震える手をぎゅっと握りしめ、この危機感に耐えられなくなっていると、
廉さんが、口を開いた。
「……もし、俺が今誰かと会ってたとしても、それは俺のわがままなんで。」
「他の人は、なーんにも悪くないです。」
「全部、俺の自分勝手な行動です。」
はっきりとそう言う君、黙る医者
廉さんは、すべてを背負おうとしていた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
