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全身が、ぴきっと固まってしまう
部屋の入り口で思わず足が止まった私を、
医者は、少しだけ首を傾げて見ていた
「どこに居たんですか？Aさん」
医者のその鋭い視線
他の患者と関わるな。
あの日言われたそんな言葉が、頭によぎる
「……えっと、その、少し散歩を、」
「ああ、そうでしたか。」
淡々と、ひどく落ち着いて返事をするその人
怖い。少しだけ、そう思ってしまった
「今日は、Aさんの具合がどうか確認しにきました。」
「はい、」
「どうでしょう、何か不調だなと思うところはありますか？」
どこか悪いところ。
今は、何も思いつかない。
「………特にない、と思います」
「頭痛とかも、なくなりました？」
「あ、頭痛はあったんですけど、なんだか慣れちゃって、」
廉さんと会う時は毎回、頭に小さな痛みを感じていて
それにすっかり慣れてしまったのは、嘘ではなかった
だけど、その事実を告げてから、
これは伝えない方が良かった、と、すぐに悟る
「………Aさん」
「、はい」
「前にお願いしたこと、覚えていますか」
神妙な面持ちで私を見つめる医者
お願いしたこと、なんて、やっぱりあれしか思いつかない
わかっているけど、答えられなくて
そうやってぐずぐずとためらっている私に、
医者はもう一度、同じことを言った。
「Aさんの体調のこともあるので、極力、他の患者さんとは関わらないようにしていただきたいんです。」
多分、知られている。
私が、廉さんと会っているということを。
二度目のその言葉を聞いて、
私はどうしても、理由を聞かずにはいられなかった。
「………それ、どうしてですか、」
「本当に申し訳ないのですが、今はお伝えすることができません。」
すぐに返ってくる、感情のない答え
理由もわからず、そんな風に自由を奪われたくないのに。
不服そうな顔をした私を見て、医者の方も視線を落とす
「Aさん、私たちはあなたが回復し、無理なく退院できるように全力を尽くしています。」
「………、」
「これも、あなたの治療をしていく上で必要な選択だということを、理解してください。」
重く響く、その言葉
何が私にとって良くないのかわからないけれど、
廉さんに会うことが、許されていない。
その事実だけを、また押し付けられた気がした。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
