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なぜか、彼のことを考えてしまう毎日
何も記憶がないはずなのに、彼とどこかで会ったような気がしていた。
また別の日
その日も私は病室で、母親と話をしていた
「今日も暑いわね、冷房入れる？」
窓の外を見ていた母が、私の顔を見て聞く
それに私は、ゆっくりと首を横に振った
「ううん、大丈夫。外の風だけでも充分涼しいよ」
「………そう、わかったわ」
窓から吹き込む、ちょうどいい温度の夏の風
その風が気持ちいいのと、もう少し空を見ていたくて、
なんとなく、窓を閉めてほしくなかった。
「少しだけ、歩いてこようかな。」
しばらく会話をしたあと、日課になった院内の散歩の話をすると、
そう、いいわよ、と母親が微笑んでくれた
「じゃあ、20分くらいしたら戻るね」
「私のことはあまり気にしないで、好きなだけ歩いてきたらいいわ」
「うん、ありがとう」
ぽとりと廊下に足を一歩踏み出して、ドアを閉める
特に何も考えずに、歩き出す
そうしているとまた、足がどんどん彼の病室へ向かい、
心臓が少しばかり、どきどきし始めた。
たどり着いた、彼の病室
今日は空っぽで、誰もいない。
心のどこかに穴があいて、そこに冷たい風が吹き込む
中庭、行ってみようかな。
私は、無意識に彼のことを探していたのかもしれない。
少しだけ早くなった、歩く速度
鈍っている足をせかせか動かしながら、病院の中をさまよう
すると、中庭に向かう途中の廊下で、
看護師と歩いてくる、彼の姿を見つけた。
また君と、目が合う。
ゆっくりと瞬きをして、お互いの視線が絡み合う。
彼の付き添いの看護師が、すぐ脇の部屋へと入っていくけれど、
彼は足を止め、廊下の反対側にいる私をじっと見つめていた
声を、かけようと思った。
何か話をしたくて、交わった視線がもどかしくて、
一歩、君に向かって足を踏み出そうとした時、
「あれ、永瀬さん〜？来てください〜」
脇の部屋から、看護師の呼ぶ声がして、
彼がもう一度、瞬きをする
そして、ふと、そらされた視線
「永瀬さん〜？」
「………今、行きます。」
部屋から聞こえてくる看護師の声に、彼は返事をして、
そのまま、私の前から姿を消す
廊下に残された私は、また不思議な感情を抱え、
しばらく、動くことができなかった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
