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その瞬間から私は、このわけのわからない世界に呑まれていく
私が目を覚ました場所、
ここはどうやら病院の一室らしい。
頻繁にいろいろな看護師がやってきては、私に話しかけてくる
目を覚ました時に、いくつか質問をしてきた白衣の人は私の担当医らしく、
その人もよく、私のところへやってきた
そんな中、私の頭はぼーっとしていて、
うまく働いていない感覚が、ますます思考回路を鈍らせていた
「Aさん、何か覚えていることはありますか」
私が目を覚ました翌日、ベッドにいる私のところに医者がまた質問をしにくる
だけど、何度聞かれても答えは同じだ
「………いえ、何も。何もわかりません」
「……そうですか、わかりました。」
私は、何も覚えていなかった。
ただ、微かに記憶に残っているのは、
あの、暖かくて優しい夢の断片と、
その夢の中でとても大切な人が呼んでくれていた、
私の名前、だけ。
「じゃあ何か思い出したら、また教えてください」
「はい、」
相手が誰なのかも、自分が何者かもわからない状態で、何を教えろと言うのだろう
そんなことを思いながら、医者に返事だけをする
するとその時、ふと小さな記憶が、頭の中によぎった
あの温もり、何にも変えられない気持ち
笑った顔、熱い視線
………私、大事な人を忘れている気がする。
疑問と恐怖に押し潰されそうで、思わず顔をしかめると、
目の前の医者が、申し訳なさそうに謝ってきた
「ああ、すみません。今はまだ負担が大きいと思うので、また今度話をしましょうか」
「………、」
「それじゃあ、また来ますね」
何も、返事ができない。
私は、何をしているんだろう
一体どうして、ここにいるんだろう
誰のことを、忘れてしまったんだろう
何も答えない私に一度頭を下げて、医者が出ていく
すると、
「あ、先生、Aは、Aは大丈夫なんでしょうか、」
病室の外から、あの女性の声が聞こえてきた
少しの沈黙
恐ろしいほどの静けさに、思わず私まで息を呑む
「意識は無事戻りました。ただ、」
医者がゆっくりと、その重い口を開いた
私が、この話を聞いてしまっていいのか。
廊下から聞こえる話し声に、耳を塞ごうか迷っていたその時、
「Aさんは、今までの記憶を失ってしまっています。」
そんな言葉と、叫び声に近い嗚咽
それから絶望が、私を呑み込んでしまった
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
