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「Aちゃん帰ろう」
みんなが遠くなっていくのを見つめていると、紫耀くんが私に声をかける
「うん、」
歩き出した私の横に並ぶ君
ふたりきりの帰り道が、始まった
だけど、なんだかいつもより君を意識してしまって、うまく話せない
君の最近の言動に、私はずっと振り回されっぱなしで、
どうやっていつも話してたんだっけ。と、そんなことを思ってしまうほど。
「Aちゃん今日静かじゃん」
紫耀くんが、ははっと笑いながら私の顔を見る
「そう、かな、」
「うん。せっかくふたりなんだし、なんか話そうよ」
紫耀くんはまだ笑ったまま。
「………紫耀くんは、」
しばらくして口を開けば君が、うん、と頷く
「今日は、何の用事で帰るの？」
偶然だよね、きっと。
私と今日、こうやって帰るの。
確かめたくて、そんなことを聞いてみた
すると君は、あー、と呟いてくすりとまた笑う
「絶対外せない用事でさ、」
「うん」
そこまで聞いて、なんとなく安心したのに、
「………ひとりの女の子を、駅まで送るっていう用事。」
君は、そんな言葉を続けたんだ。
そんなの、そんなのさ、
嬉しいけど、ずるいよ。
「………えー、まさかの反応ナシ」
紫耀くんは愉快そうに笑うけど、
私は心臓の音がばくばく聞こえてしまって、返事ができない
「…………俺、こうやってふたりで帰るの結構好きだから。」
君はふたりきりの帰り道を、どう思っているんだろう。なんて、
知りたかったはずなのに、いざ知ってしまうと、
ますます、何て言えばいいのかわからなくて。
ねえもしかしたら。そう思ってしまう
「…………よかった。紫耀くんがそう思ってくれてて」
なんとか絞り出した言葉に、君は頬を緩めた
私たちが出会ってから、2回目の夏が近づいてきた、そんな夕方
私たちは、いつもと少し違う沈黙のまま、駅へと向かう
さっきよりもなんだか、甘酸っぱく感じるふたりきりの時間
ふたりで渡った横断歩道とか、
ふたりで綺麗だね、って見上げた空とか、
ふたりで並んで見た電車からの景色を、
すべてを忘れないように、
心に一瞬一瞬を、しっかりと刻み込むんだ
「またね、Aちゃん」
「紫耀くん、送ってくれてありがとう」
電車のドアが閉まる直前、
君は嬉しそうに微笑んだ。
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詩愛(プロフ) - kaiさん» わ〜嬉しいですありがとうございますT_T 引き続きよろしくお願いいたしますね^^ (2020年6月14日 21時) (
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詩愛(プロフ) - かなこさん» こちらこそありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします、頑張りますね！^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さくらえびさん» いつもありがとうございます！嬉しいです……引き続きよろしくお願いいたします^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - はるさん» かわいいですか！よかった！ありがとうございます、引き続きよろしくお願いいたします^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 夜木さん» こちらこそありがとうございます！！引き続きよろしくお願いいたします！^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年5月29日 20時
