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永瀬くんがいなくて、変なバランスのまま、
私たちはあっという間に下校時間を迎えた
「じゃあまたね！ふたりとも」
「はなみ、帰り気をつけて」
「大丈夫だよ〜Aちゃんもばいばい！」
「うん、また明日」
校門の前で別れたはなみちゃんと私たち
たったひとりで離れていくその背中をじっと見る紫耀くんの、
その表情が、何か言いたげで。
「………じゃ、帰ろっか」
だけど君は、はなみちゃんが角を曲がって見えなくなると、私を振り返る
うん、と頷いた私と肩を並べると、紫耀くんは歩きだした
「あ、なにあれ」
しばらく歩いていくと、紫耀くんが突然声をあげて、塀の上に止まっていた珍しい色の鳥を指差す
「なんか色珍しくない？なんて鳥なんだろ」
「どうだろう、わかんないけど」
「俺もわかんない笑 Aちゃん、ケータイ貸して？」
「いいよ、はい」
「ありがとう」
だんだんと、君にケータイのカメラを貸すのにも慣れてきた
紫耀くんはその鳥が逃げないように、そっと近寄って何枚か写真を撮る
「………動くな〜、動くな〜」
小さくそう呟く君だけど、動物というのは気まぐれなもので
その珍しい鳥は、すぐに飛んでいってしまった
「………あーあ。」
残念そうな声を出して、君は空を見上げる
逃げちゃったね、君の背中にそう言おうとすると、
「………はなみってさ。廉のこと好きなのかな」
きっと、そのことがずっと気になっていたんだろう
君は私に背を向けたまま、そんなことを聞いてきた
正直、私もはなみちゃんがわからない。
だけど、私が今ここで嘘をつけば、
紫耀くんの恋路を、邪魔することができる。
そんな考えが一瞬頭によぎって、思わずぞっとした
「…………俺、どうしたらいいんだろ」
その時やっと振り返った君の目は、少しばかり切なそうで、
私の心が、大きく揺れる
紫耀くんには、幸せになってほしい
だけどその相手は、
私じゃ、だめですか。
何も言えない私に君は、少しだけ笑った
「ごめんね、変なこと聞いて」
「ううん、」
「とりあえず明日から、もっとはなみにアピールしてくことにするね」
「そっか、」
「うん」
力強く頷く君
「廉には、譲れないから。」
私は何も、
何も言えなかった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます！ドキドキしてくださっていますか、よかったですT_T 続きもぜひ読みにいらしてくださいね！お待ちしております^^ (2020年5月29日 20時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - kaiさん» いつもありがとうございます！日課だなんて嬉しいです……精一杯頑張って書きますね！続きもぜひ読みにいらしてください！^^ (2020年5月29日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 涼杜兄妹さん» ありがとうございますT_T 引き続き皆さんのコメントを糧に頑張ります！ぜひ続きも読みにいらしてくださいね！よろしくお願いいたします^^ (2020年5月29日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 夜木さん» いつもありがとうございます！嬉しいです……これからも精一杯頑張りますので、続きもぜひ読みにいらしてくださいね！またよろしくお願いいたします^^ (2020年5月29日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - まいさん» 毎日おつかれさまですT_T 少しでもお仕事の疲れがとれるように、私も頑張って更新しますね！続きもぜひ読みにいらしてください！よろしくお願いいたします！^^ (2020年5月29日 20時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年5月4日 19時
