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「………記憶って、意外と長持ちするもんだね。よくおぼえてる、俺も、Aも」
2人で入ったカフェで、成人したばかりの私たちの間に微妙な空気がただよう
「……そう、だね」
たしかに、最初は私たち記憶力がいいのかな？と思っていたけれど、
それはきっと違って。きっと、
お互いに、あの記憶が恋しくて、忘れられないから、なんだよ。
君がそのことに、気がついているかどうかは、知らないけど。
「………本当に、悲しかったよ」
あのストラップを渡された時のことを思い出すと、今でも胸が痛む
″悲しかった″
私のその言葉を聞いて、君の目が、少しだけ揺れた
「それは本当にごめん、だけど、」
「いらないから、って、理由だけで、」
そんな神宮寺くんの言葉に、少し大きめに声を重ねる
「そんなの誰でもよかったじゃん、なんで私にしたの？」
「聴いて、それは、」
「好きな人に、あんなに雑にペアのものもらう女の子の気持ち、少しは考えた？」
君にしゃべる暇を与えないように、後先考えず一気に当時の悲しみを伝えてしまった
「………好きな、人？」
しまった。
たった一言、確かめるようにそう呟いた君の目が、真っ直ぐに私を見る
「……どういうこと、A」
「なんでもない、忘れて」
「Aも、あの時から好きでいてくれてたの？」
「…………」
真剣な目で私の答えを待つ、君
答えない私の雰囲気で察したのか、
「……そうだったんなら、早く伝えればよかった、」
と、君はまっすぐに私を見つめたまま、今にも泣きそうにささやいた
私も同じ気持ちだって言ったら、君は今抱きしめてくれたのかな。
「………ごめん、気持ち全然知らなくて、」
神宮寺くんは、謝りながらも言葉を続ける
「だけどそこに、誤解があるんだ」
「薄々わかってると思うけど、あの時俺はもうAのこと好きだったの」
うん、もうわかってるよ
「言えるわけないじゃん、好きな子に、」
もう、今になってわかっても遅いけど
「……好きな子に、俺とペアのストラップもらって。なんてさ」
あれは、気持ちをうまく伝えられなかった君と、
そんな君の気持ちをわかってあげられなかった私の、
1番最初の、すれ違いだったんだ。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
