4 ページ4
・
「あれ？ほんとだ」
「そうじゃん」
岸くんの声がまあまあ大きくて、近くにいた他の子たちが近寄ってくる
「だよね？！付き合ってたよね？！」
岸くんが興奮したように私たちを指差す
「付き合ってた付き合ってた」
「うわ懐かしい〜」
集まった元同級生たちが、私たちを興味津々に見つめる
「一緒に来たの？待ち合わせて？」
1人の女の子が、私に聴いてきた
なんとなく、君が私を見ている気配がして、手に汗をかく
「………ううん、そこで会っただけ、」
小さく呟いた私にみんなが、えっ、と声をもらす
「………え？てことは今は付き合ってないの？」
「あんなにいい感じだったのに！」
お祭り気分でテンションの上がりきった元同級生たちは、
どんどんと私たちの古い記憶を掘り出してくる
「そうだよ！！あんなに仲良しだったのに！！」
「付き合ってた、って……笑」
神宮寺くんが、ため息混じりに呟いた
「……それ、いつの話だよ笑」
困ったように笑う君の横顔を見上げる
そう、私たちからしたら、
それはもう2年も前のこと。
たしかに久しぶりに会えるかな、って思ったり
会えて嬉しいな、って思ったりしたけど、
それはもうきっと、
あの頃みたいな恋じゃない。って、思うんだよね。
「………マジか、別れてたんだ、」
「結構前だけど。ね、A」
突然神宮寺くんが、私を見下ろす
「うん、そうだね」
別れてもなお、普通にその頃の会話をする私たちを見て、
みんなは驚いたように見えた。
「いやでも神宮寺マジ？」
「それな？」
「あんなに俺らに、とるなよ、って言ってたのに、」
「あー、言ってた言ってた」
「やめろって笑」
神宮寺くんが照れたように笑って、男子の肩に軽くパンチした
そんなこと、言ってたんだ。神宮寺くん。
高校生の君が、男の子たちに向かってそのセリフを言っているシーンを思い浮かべてみると、
なんだか少しだけ、心の奥が、きゅんとした気がした。
「ほんとに、もう昔のことだから」
神宮寺くんが、話を終わらせようとする
「そう、そうなの」
私もそこに加勢した
「なんだ、そっか……」
「まあもう2年も経つもんね」
だんだんと興味を失った子たちが、
ひとり、ふたりと私たちから離れて他の人のところに足を向けた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
