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いっせいに走り出すランナーたち
会場は声援でうめつくされる
「いいぞいいぞー！！」
最初のランナーが追い上げる、追い上げる
私たちの組は、一気に3位にのしあがった
クラスメートの声援が、更に私を緊張させる
「おー！！いけるいける！！」
「おいつけるよー！！！」
次から次へと、思った以上のスピードで渡っていくバトン
………こんなんじゃ、すぐに回ってきちゃう。
「がんばってーーー！！！！」
隣で待機していたクラスメートが、大きな声を上げる
ああ、どうしよう。
会場もだんだんと盛り上がってきて、さっきよりも声援が大きくなった気がする
私たちの組は、ずっと3位をキープしていた
「いや、これ抜かせるよ」
「な？いけるよな？」
クラスメートが興奮したようにささやく
1位と2位、3位の差は、わずかだった
そして、私の番が来る。
前に待機していた子が走り出して、私はレーンに入った
どんどん遠くなるその背中
どうしよう、どうしよう。
大丈夫、落ち着いて。
遠くでバトンが今、私の前の子の手に、渡った
そこから私の番まではあっという間だった
気がつけばバトンを受け取って、
なんとか走り出していた私
前を走る2位の子の背中が、だんだん遠くなっていく気がする
ああ、やっぱり足を引っ張ってしまった。
遅すぎる自分のスピードに、つらくなる
すると、その時、
「A！！！がんばれ！！！」
レーンの先、私の目指すところで、
神宮寺くんが、大声で私を呼んだ。
呼び捨て、で。
驚いて、前を見れば
遠くで君がまっすぐに私に、手を伸ばしていた
神宮寺くんが、待ってる。
走って、走って、
ただ君だけを目指す
どんどんその姿が鮮明になってきて、
やっと、
腕をこれでもかと伸ばした
君の手にバトンが触れると、
ぐっとたしかに君がバトンを握ってくれた感触がした
私の手からバトンが離れたその瞬間、
「ナイスファイト」
私だけに聞こえるように、
君がそっと、呟いた。
走り出した君の後ろ姿を、減速しながら見つめる
「………がんばって、」
「がんばって！！神宮寺くん！！」
君に伝えたいあまりに、
気がつけば私はその背中に、大きく、
声援を送っていた
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
