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ふと、そんな君との昔の約束が頭をよぎる
「最後の、チャンスなの？」
運ばれてきた食事に手をつけ始めた君の目の前で、小さく呟く私
「そうなんだよね〜。頑張らないと」
神宮寺くんは、また笑ってみせる
その時、君の目に少しの影が見えた
今、本当に大変な時期なんだろう。
私も大学受験を乗り越えてきたから、なんとなくわかる気がした
「………正直、成人式の日の集まりに行くか迷ったんだよね」
君がそんなことを言う
「………だけど、どうしても今会いたい人が、いたから」
伏し目がちに呟かれたそんな言葉に、
私だといいな。なんて、
思ってしまった。
きっとそんなこと、あるわけないけど。
「……そう、なんだ」
神宮寺くんはもう1度、にこりと笑う
「そうなんです」
しばらく私たちは食べることに集中した
いろいろな質問が、頭の中に浮かんでは消えていく
「………どした？」
「え？」
突然話しかけられて君を見上げた
「なんか険しい顔してるよ」
神宮寺くんは、また笑う
「………A、考え事する時いつもそんな顔してたよね」
今ではもう夢だったのかと思うほど遠い記憶
君と私の、記憶を、
私は君のその言葉、眼差し、表情で思い出す
「………受験、ってさ、」
記憶にうもれてしまわないように、私は君に話しかける
「ん？」
「やっぱり、音楽の学校なの？」
小さく、あー、と声をあげた君は、
「ちょっと長くなるよ」
と、いたずらっぽく笑いながら、今までの話をし始めた
・
高校を卒業してすぐ、君は一生懸命曲を作って、
いろいろなオーディションを受けたり、
路上ライブの活動を始めたのだという。
努力家の君のことだから、
きっと本当に全力だったんだろう。
だけど、1年間続けても、
芽は、出なかった。
「なんでかな、ってすっごい考えたんだよね」
君はゆっくりと話を進める
「それで、もしかしたらこれは基礎ができてないからじゃないか、って気がついて、」
「基礎、」
「そう、音楽の基本的なこと」
神宮寺くんは一口水を飲んだ
「………やっぱり基礎からしっかり学びたくなったんだよね」
君の目は、力強い
圧倒されるほどの、決意が見えた。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
