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なんて、
君のその笑顔を見ていると、出会ったあの春を思い出す
「……今年、受験、」
「そうそう」
君の言葉をそのまま繰り返す私を見ながら、君は一口、水を飲んだ
聴いても、いいのかな。
もっと奥まで、踏み込んでも、いいのかな。
気になるけど、なんだか聴いてはいけない気がして。
「……やだなー、別に聴いてくれてもいいよ？」
まるで私の考えを見透かしたかのように、神宮寺くんは笑う
「ていうか、むしろ聴いて」
君が、寂しそうな目をしているのは、
やっぱり気のせいじゃない、気がするけど。
「………じゃあ、聴くね、」
「どうぞ」
神宮寺くんはゆっくりとうなずく
「今年受験なのは………どうしてなの？」
深く関わってしまうと、ここにある何かが、私たちの守ってきた距離が、壊れてしまう
成人の日に再会した時、そんな風に思っていたのに、
私はもう、君のことを知りたくなっていた
やっぱり私は、どこかで君を意識していたんだね。
こんなに簡単に、また近付いてしまうなんて。
「………Aは、」
神宮寺くんが口を開く
「俺の高校の頃の夢、おぼえてる？」
私はすぐにうなずいた
忘れるわけ、ない。
大切だった人の、大切な夢。
それに、あんなに一心に夢を追い続けていた人を、
私はあなた以外に、知らないから。
「ありがと、おぼえててくれて」
君がまた綺麗な笑顔を見せる
「実はさ、卒業してから、必死にその夢に向かっていろいろ挑戦してたんだ」
初めて聴く、卒業した後の君の話
「だけど現実って甘くなくてねー、まあ見事に心が折れちゃって」
そう言って君は肩をすくめた
「……そう、だったの、」
かける言葉が、わからなかった。
君の夢は、あの頃の私の夢でもあった。
それなのに。
もしかして、君は、
「………それじゃ、もう諦めちゃったの？」
どうかそうでありませんように。
小さく願いながら君に聴くと、
君はまた、明るく笑ってみせた
「俺も諦め悪いな〜とは思うんだけどね？」
君の目が、今度は力強く私を見つめる
「今回の受験を、最後にしようと思ってるんだ」
「それって、」
「これで受かんなかったら、俺の夢は終わり」
終わり。
私の頭に、
その一言が、反響した。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
