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｢千早ちゃん、僕からの提案なんだけど…
もし、あの世界の大切な人達が全員亡くなったら違う世界に行かないかい？｣
ディユの提案に彼女は目を見開いた
自分の愛する彼等がこの世を去ったら違う世界に行く？
そんなこと、考えてもみなかった
自分はロジャーとの約束を果たすために永遠にこの海賊の世界で旅をすると思っていた
だがずっとあの世界にいても自分の愛する彼等を思い出し涙するのは目に見えていた
ディユの提案はそんな泣き虫の彼女を救う魔法の言葉だった
『…もし、違う世界に行ったらまた大切な人が出来て、失って、涙することになりますよね……』
この提案に賛成したいが失う辛さをロジャーの死を得て彼女は知っている
苦しみをまた味わうことはわかっている
ロジャーは死に、そしていつかはエースも死ぬ
怖いのだ
自分がどれだけ傷つけられても苦しんでも
もっと辛いのは
愛する人がいなくなること
ディユに酷い顔を見せたくないので顔を俯ける
｢そうだね、君のいい所は優しくて愛が深くて誰が来ても拒むことなどせず包み込む
でもそんな君のいい所は自分自身を傷つけてるもんね｣
彼女は“愛”はいつしか自身を苦しめる“哀”に変わる
｢でもね、君は苦しんだ分だけ、愛の深い人に育ってるんだよ｣
ディユの言葉に彼女は再び彼を見る
やっとこっちを見てくれた、と彼は優しく笑った
｢僕は君に楽しい人生を送って欲しいんだ
でも楽しいことだけが人生じゃない
苦しんだ分、楽しいものがかえってくる
人生はそういうふうにできている
君が哀しみに暮れても
また、愛に溢れる日が来る｣
｢色んな人と出会って世界を見てほしい
世界はひとつじゃない
必ずしもその世界が優しいとは限らない
でも君がいれば世界はきっと優しくなる
だって君は…世界で1番優しいのだから｣
彼女の翡翠色の瞳から涙が零れた
自分のことをこんなにも考えてくれるなんて…
ディユの言葉は彼女の心を強く揺さぶった
彼の言葉に彼女は決心した
『ディユさん、私は───』
彼女の答えにディユは優しく微笑んだ
｢わかった…じゃあそろそろ君の意識をあの医務室に戻すね｣
『ディユさん、本当に…ありがとう』
彼女の言葉に彼は微笑んだ
次の瞬間、彼女は意識を手放した
─私はあなたの提案に乗ります─
彼女の返答を彼は思い出しながら微笑んだ
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リリア(プロフ) - ☆TRICK☆さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！！（窓辺の席の私） (2020年7月2日 19時) (
レス) id: a1c1a0f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
☆TRICK☆(プロフ) - こんにちは、更新頑張ってください！応援してます!!（隣席より） (2020年7月2日 18時) (レス) id: 75a0db6355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サン・D・リリア | 作成日時：2020年5月29日 8時
