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｢いただきまーす！！｣
サンジとAそれからローリング海賊団のコックが作った食事を皆大きく口を開け入れていく
乾杯をしていないのに結局宴になってしまうのは海賊の性なのだろう
こんなにも騒がしい中目すら開けない1番タフな男を心配するナミ、チョッパー、A
自身がこの中で1番年上なのに誰一人守れないと拳を握り締めるAに誰一人気づかない
『守れなくてごめんね』
飲み物を片手にゾロの頭を優しく撫でる彼女は母親そのものだった
彼女が後悔に浸っていると愛する仲間達が歌っていた曲が流れ出す
『ビンクスの酒……ロジャー………』
彼女の酷く寂しい声はこの騒がしい宴の中にかき消される
昔の海賊達は皆この曲を唄っていた
辛い決別の時も、楽しい宴の時も…
彼女は泣き虫で、弱虫で、今でも瞼を閉じると皆の姿が頭に浮かぶ
頬につたる海水は重力に抗うなどせず落ちていき床を濡らしていく
ジャアァアン！！と伴奏を止め両手で泣き顔を覆うブルック
『(彼は私とそっくりだ、どこか親近感を抱いたのはそのせいだ
生きる意味がかつての仲間との約束…)
私も、あなたとの約束…必ず守るからさ
見ててね？ロジャー』
ブルックはおもむろに死んだ仲間達の生前の歌声がつまった音貝を取り出しボタンを押すと愉快な伴奏とともに流れ出す海賊達の歌
過去と現在を繋ぐ海の男達の歌
ビンクスの酒を 届けにゆくよ
海風 気まかせ 波まかせ
潮の向こうで 夕日も騒ぐ
空にゃ 輪をかく 鳥の唄
さよなら港 つむぎの里よ
どんと一丁唄お 船出の唄
金波銀波も しぶきにかえて
おれ達ゃゆくぞ 海の限り
『ビンクスの酒を 届けにゆくよ
明日はどんな海と出会うか
面影の中 手を伸ばしても
君の背中には届かない
ビンクスの酒を 届けにゆくよ
いつか会える その時までは
海で待ってて すぐにゆくから
私の 愛する 仲間達
ヨホホホ ヨホホホ
ヨホホホ ヨホホホ
ヨホホホ ヨホホホ
ヨホホホ ヨホホホ』
最後のフレーズを歌うと彼女は泣いてしまうから、自身の作ったフレーズで曲を締める
『また泣いちゃった…』
自嘲の笑みを浮かべコップに入っているお酒を勢いよく飲み胃に流し込む
コップに入っていたお酒は、
この世界に来て初めて仲間達と飲んだお酒の種類だった
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リリア(プロフ) - ☆TRICK☆さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！！（窓辺の席の私） (2020年7月2日 19時) (
レス) id: a1c1a0f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
☆TRICK☆(プロフ) - こんにちは、更新頑張ってください！応援してます!!（隣席より） (2020年7月2日 18時) (レス) id: 75a0db6355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サン・D・リリア | 作成日時：2020年5月29日 8時
