story125 ページ34
NO視点
『ティーチさんは目的のためなら家族を殺すのですか』
2人がいる廊下に流れる空気は重苦しくAの方はどこか冷酷さを感じさせられるような目をしている
｢…おめぇは……｣
ティーチは少し笑った
その笑いがちゃんといつもの笑顔だったかは本人でも分からない
｢殺すわけねぇだろ！大切な家族か、俺の欲しいもの、どちらをとると言われたら俺は間違いなく家族をとるぜ！｣
ティーチの喋り方に何も不審なところは一切なかった
誰もが今の言葉を信じ、疑いは晴れるはずだった
『(演技がお上手なようで…)』
だがそれがいけなかったのだ
こんな会話をしたらティーチはAに警戒心を持つのではなく、嫌悪感を持たねばならなかった
自分は愛する家族を信じているのにそれを疑われたら誰だって嫌な思いはするはずだ
なのにティーチは一切嫌な顔をせず返答をした
それがティーチは嘘をついているとAにとって決定打になったのだ
『…そうですね！疑って申し訳ありません！』
Aは先程までの冷酷さを感じる目はどこにもなくAの翡翠色の瞳は優しさ1色になっていた
『お詫びに私のお店に来ていただいた時お代は無料とさせていただきますね』
Aはニコッと笑いティーチに向かって歩いていく
否、ティーチに向かって歩いているのではなくただ甲板に行くために前を歩いているだけだ
だがティーチにとってはその行動に恐怖を感じてしまったのだ
動けず、冷や汗が流れ呼吸が浅くなる
Aがティーチの真横を通った時
『──島────つ────必─』
Aの声は優しさなんて感じ取れないくらいに低く冷たかった
Aが通り過ぎたあとティーチの肺にはやっと酸素が入っていった
ティーチ自身気づいていなかったのか手は小刻みに震えていた
この空間にはAがいなくなったという安心感と荒い呼吸を繰り返すティーチだけがいた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 312人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリア(プロフ) - ジャネットさん、ありがとうございます！これからも皆さんに喜んでもらえるように頑張ります！ (2020年2月11日 7時) (
レス) id: a1c1a0f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ジャネット(プロフ) - 1万回投票したいくらい好きなお話です…。応援してます！ (2020年2月11日 2時) (レス) id: 0c6808fe65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サン・D・リリア | 作成日時：2020年2月1日 23時
