32 / 仇となる ページ33
side A
「………大丈夫なのかな」
駐車場、俺の車に4人で乗り込んで
エンジンもかけずに一言、そう呟く。
朝まで居ようか、との提案に
彼は、乗らなかった。
それにリーダーはどうするのかと思えば、渋々頷いて。
とりあえず車まで戻ってきた。
「大丈夫じゃないけど、……俺らが居たってしんどいんだよ、きっと」
暗めの声で発したリーダーのその言葉が、とても重かった。
そこに苛立ちが含まれてることも、簡単にわかった。
「…………遅かった、………だから言ったじゃん…っ、」
髪をかき上げるようにして項垂れる彼から
そう思ってるんだろうなと予想出来た言葉が落とされる。
”気にしすぎ”、”まだ大丈夫” から
どう手を付けたらいいかわからない状態になるまでが早すぎた。
リーダーはそれも含めて気にかけていたのに、俺らがそれを止めたわけで。
「……ごめん、兄さんの言う通りだったね」
素直に謝罪を口にした翔ちゃんに
リーダーの手が、髪から離れる。
「……違う、ごめんね、別にみんなが悪いわけじゃないよね」
「や、俺らもちょっと軽く見てたし…」
「ううん、……俺も、心配とか言って何もしなかった」
後悔が、口々から漏れる。
予想以上だった。
まだ様子を見ていても大丈夫だと思っていた。
それに。
「………どこかで、……潤くんなら大丈夫って思っちゃってた…、」
黙り込んでいたニノが呟いたそれは、
誰しも共通してることだった。
” 彼なら大丈夫 ”
その根拠のない自信が、この状況を招いた。
まさか彼に限って、って思っていた。
.
” どうしよう ”
.
全身に渦巻くそれを
吐き出すことも出来ず、飲み込むことも出来ず。
まるで今の彼のよう。
こんなのよりももっと苦しいんだろうなと感じれば
また、さらに息苦しくなった気がした。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - Kazue Akasakaさん» コメントありがとうございます✨『らしい』という言葉がとてもうれしいです、、！楽しんでいただけるようにがんばりますので、ぜひお付き合いよろしくお願いします🥰 (2022年11月24日 14時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
Kazue Akasaka(プロフ) - こちらでのコメントは初めてさせて頂きます。ヲ伽さんらしい繊細なお話で続きが楽しみです。 (2022年11月23日 19時) (レス) @page5 id: fbdba45f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2022年11月23日 18時
