29 / 見たこともない人 ページ30
side N
もしかしたら、
何か勘違いしてたかもしれない。
彼はもしかしたら、俺らが思ってるような人じゃないのかもしれない。
昨日のことは確かに言われすぎてるなとも思ったけれど
今までになかったことじゃない。
昨日のことはきっかけではあるけれど
それまでに溜まったものがあるはず。
そして、消化しきれない、吐き出す習慣がない彼の性格も
その溜まったもののひとつなんじゃないかな。
「…………なんか、……違う気がする、」
「……うん、」
「なんか……だって、一気にきてる感じあるよ、」
「うん……それだよね、」
” 思ってたのと違う ”
” 知ってる彼じゃない ”
それぞれの中に、そんな思いがある。
潤くんを連れて帰ったリーダーも、そんな顔してた。
なんだろう。
何が違うんだろう。
彼と、認識がどこか違う気がする。
「いろいろ……違うよね、」
「ん、………あいつ、なんか……人慣れしてないっていうか、」
翔ちゃんのその言葉に
ぐ、と胸を押されたみたいな感覚になった。
気遣い屋さんだってことは知ってた。
それが人一倍ってこともわかってた。
でもそれが、人を恐れているが故のものだとは思わなかった。
人を思って、というより、怖さからの気遣いだったとしたら
それは、あまりにも負担が大きすぎる。
20年近く一緒に居て
こんな、一から関係を築くような感覚になるなんて
思いもしなかった。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - Kazue Akasakaさん» コメントありがとうございます✨『らしい』という言葉がとてもうれしいです、、!楽しんでいただけるようにがんばりますので、ぜひお付き合いよろしくお願いします🥰 (2022年11月24日 14時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
Kazue Akasaka(プロフ) - こちらでのコメントは初めてさせて頂きます。ヲ伽さんらしい繊細なお話で続きが楽しみです。 (2022年11月23日 19時) (レス) @page5 id: fbdba45f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヲ伽 | 作成日時:2022年11月23日 18時