15 / こっちを見て ページ16
side M
「潤、」
地面だけの視界に
突然、しゃがんで覗き込んでくるリーダーの姿。
それに驚いて、呼び捨てされたことにも驚いて
ちょっとパニック。
「おまえほんとに、大丈夫？」
これだけ長い間一緒に居たら
体調不良のメンバーを見かけることもある。
でも嵐は気遣い屋さんの集まりだから、みんなあまり心配を表には出さない。
”お大事に”、とか最初はそれくらいに留めておいて
あまりに酷そうだったら手を差し伸べる。そんな感じ。
さっき一度見かけただけなのにこんなに心配するなんて
僕そんな、沈んでるように見える？
「………ふふ、潤なんて、呼んだことないじゃん、」
「おまえが見たことないくらい沈んでるからそうもなるでしょ」
「仕事……疲れてるから、じゃない？ふふ、」
僕もわからない僕のことを聞かれても
どう誤魔化したらいいかわからなくて、答え方がわからない。
「…………あんまり無理しちゃダメだよ、働きすぎ」
「ふふ、リーダーも同じ量じゃん」
「おまえはいろんなもの背負っちゃうから」
「ふふ…そんなこと、」
「なんかあったら言いなよ、」
やけに心配されてる。
そんな心配されちゃうと、むず痒い。
大丈夫だよ、こういうのしょっちゅうあるもん。
「ほら、帰ろう、送ってくから」
「え、いいよ、僕帰れるよ」
「心配なの、」
半ば無理やり手を引かれて、抵抗する力もなく着いていく。
僕より背が低いはずなのに
目の前の背中が、やけに頼もしく見えた。
「……ね、リーダー」
「ん？」
「大丈夫だよ、心配しないで」
「んぇ、どしたの急に、話す気になった？」
「ふふ、話す気っていうか、今までもこういうのあったから」
「………俺、知らないけど」
「ふふ、うん、見せなかったもん。
でもね、だいたい何日かしたら忘れてるの。だから大丈夫」
そう、これも僕の性格。
別に今始まったわけじゃない。
僕自身は慣れてる。
だから、大丈夫。
ね、って
念押しするように伝えれば、腑に落ちないところが残る顔しながらも頷いてくれた。
でも送ってく、って
結局は、家まで見送られたんだけど。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - Kazue Akasakaさん» コメントありがとうございます✨『らしい』という言葉がとてもうれしいです、、！楽しんでいただけるようにがんばりますので、ぜひお付き合いよろしくお願いします🥰 (2022年11月24日 14時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
Kazue Akasaka(プロフ) - こちらでのコメントは初めてさせて頂きます。ヲ伽さんらしい繊細なお話で続きが楽しみです。 (2022年11月23日 19時) (レス) @page5 id: fbdba45f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2022年11月23日 18時
