口癖 -3- (ページ6)

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98 / いつもどおりの定義ページ6

side O

不思議だと思った。

携帯でのやり取りを始めて数ヶ月経った今でも

遠慮して、あまり積極的にメッセージ送ってこない彼が

連続して送るなんて。

「わ、いいじゃん！ここに鳥も居る」

「え、ほんと？」

「気付いてなかったの？ふふ、」

「ほんとだ、ふふ、今気づいた」

じっと画面を見つめて反応しない俺を見て

ニノが真っ先に反応してくれた。

柔らかい笑顔で、気付いてなかった彼を笑うニノだけど

ニノもまた、変だと思ってることはわかる。

「ん？」

目の前に居る彼を、

じっと見つめる。

もしかして。

いや、それならどうして？

「……外、行く？晴天だし…もう4月だしね、」

「あ、行きたい、ありがとう」

変わらない。

いつもどおり。

そう感じたのは、今が初めてじゃない。

彼が記憶を失ったときにも感じたこと。

変わらないんだ。

前の彼も今の彼も。

だからこそ

それが、最大の難問になるんだ。