口癖 -3- (ページ21)

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113 / 根底にあるものページ21

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「……それを聞いて叶えたら、どんなことが起こるの」

「本当のことがわかる」

「本当のこと？」

先生には、みんなに記憶が戻ったことを話したと

みんなが帰ったあとすぐに伝えた。

たぶんひみつも話すことになると思う、とも伝えた。

「………記憶が戻ったことを話したんでしょ、」

「話したよ」

「それで、潤はきっとひみつも話す。その中に本当じゃないことなんて生まれる？」

「もう生まれてる」

眉が顰められる。

「ねぇ、僕がどうして記憶が戻ったことを話さなかったかわかる？」

「教えてくれなかったじゃん、」

「確認したいことがあったの」

「確認したいこと…？」

「うん、……………嘘か、本当か。確認したかった」

未だ眉を顰めたまま、

曖昧に話す僕を険しい顔で見つめてる。

「………もしかして、」

ハッとした顔。

驚いてる顔。

僕も本当は、さっき、そんな顔をしたかった。

「わざわざ……会話形式で話したのってそれ？」

記憶が戻ったことを話したときのことを、

僕はわざわざ、先生に会話形式で話した。

誰がこう言って、誰がこう反応して。

細かく、丁寧に。

「…………落ちた原因、……嘘、？」

静かに落とされたそれに、

静かに頷いた。

「…………なんで、」

静かに落とされたそれに、

今度は、静かに首を横に振る。

わからない、ではなくて

言えない。

先生は、僕がそう言いたいのをわかってる。

終わりに向かってると思ってたでしょ。

それを終えられたら、みんなとごたつきがあったとしても

終わりに向かっていけるって思ってたでしょ。

「記憶が戻って、僕がみんなにひみつを話して」

「この件は、それで終わりじゃない」

不思議だと言いたげな顔をしてる。

そうだよね。

でも、やっと確証を得られたから

先生と、この約束だけは取り付けておきたい。

「だから、手を貸してほしい」

「…それが、お願いを聞くことか」

「うん」

「………わかったよ。ただ、限度はあるかもしれない」

「うん、わかってる」

僕だけが満足して、

それで終わっていい話じゃないと思うの、これ。