口癖 -3- (ページ3)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:51,479 hit

95 / 透き通るすべてページ3

side A

【明日の朝誰か潤の様子見てからでも仕事間に合う人居る？】

昨夜、突然送られてきたメッセージ。

翔ちゃんからのそれに、俺が名乗り出た。

昨夜あったことと、心配だからと理由を告げられた。

説明しにくいけど胸騒ぎがした、っていうそれに

俺も少し怖くなったのは事実。

何もありませんように、と

部屋の前でひとつ、祈る。

「おはよう、」

「あれ、あいばくん。おはよう」

ノックに返ってきた返事も普通だったけれど

今、おはようと挨拶してくれる彼も普通だ。

顔色もいいし、体調も良さそう。

「仕事じゃなかったの…？」

「あ……うん、仕事の前にね、ちょっと様子見に来た」

「ふふ、ありがとう、でも心配しすぎだよ」

眉を八の字にして笑う彼に

また、前の彼の面影が重なる。

ココア色のニットストールが色白の肌をさらに映えさせて

前髪が少し目にかかり、笑うときにはその目が細められる。

彼から消えない、その艶やかさが

余計に面影を連れてくる。

「体調、大丈夫？」

「うん、大丈夫。ふふ、当分は考えないから、大丈夫だよ」

俺らが、ここ数週間の件で心配してるのを気付いてるんだ。

それで様子を見に来たとも。