800 / 予想外の出来事 ページ38
side S
「っ、潤……、潤、お話…聞ける、？」
潤「お、おはなし…っ」
「うん。あのね、翔くんたぶん熱ある。
寝てれば治るだろうけど、でもこのままじゃ潤にうつすかもしれない」
潤「…っ、しょおくん……っ」
「だからね、翔くん寝てる間、ひとりで居れる？」
しんどい体をなんとか起こして、
まずは潤に伝える。
潤「っ、しょおく…っ、だいじょうぶ…っ？」
「うん、大丈夫。寝てれば治るよ」
潤「……っ、となり……いたいっ、しょおく、しんぱい……っ」
ポロポロ零れる涙に
申し訳なさで胸がいっぱいになる。
「…………潤にうつっちゃうから」
潤「んーんっ、そんなの……いいっ、」
「ううん、ダメだよ。熱より、潤にうつすほうが翔くんは苦しい」
潤「…………………くる、し……」
「そう。だから隣は……」
理解したような表情だけど
でも瞳からは、ポロポロ、ポロポロと。
「………………………じゃあわかった、約束しよう」
隣に来ないで、なんて言えなくて
焼けそうな喉から出てきそうな咳を耐えながら、
なんとか言葉を落とす。
「っ、翔くん和室で寝るから、そこに入ってくるときはマスクは絶対付けて、ずっと隣には居ないこと。
あと、入ってくる前にしんどかったりドキドキしてたり苦しくないかなって必ず確認すること。
もし苦しいなら和室に入らずに、かずかまぁかリーダーに、必ず電話すること。
絶対に、無理だけはしないこと」
潤「………………やく、そく…？」
「約束よりもっと大切なお約束だよ。
潤は、翔くんたちが一番大切にしてる人なの。
だから、一番大切にしてる人が無理しちゃうのは苦しいの」
潤「……………しょおくん、くるしいの……いや、」
戸惑って、困惑して
そんな瞳がユラユラ揺れる。
潤「………………わかったっ、むりしないっ、ぜったいむりしないっ」
それでも、この子はわかってくれるから。
潤「おやくそく、ぜったいまもるよ、
しょおくんが、みんながくるしいことぜったいしないっ」
なんとか潤を説得して
それでホッと安心した俺の思考回路はもう、熱に侵されて働かなくて。
重い体を引きずって和室に行き、
潤に手伝ってもらいながら布団を敷いて。
そこに体を沈めたまでが、
俺の脳内にある記憶。
801 / じゅんくんのいちにち。→←799 / 予想外の出来事
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1146人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻宮 - 大宮さん» 中のお手紙を見てニヤける彼らを想像してさらにニヤけてしまう私。笑姫の想いはきっと彼に届いてると思います。 (2021年2月26日 8時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 大宮さん» 確かに姫の看病あってこそ。笑私も思わずマスクの下でニヤける。笑 (2021年2月26日 8時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
大宮 - 潤くんが一生懸命作ってくれたお守り、きっとしょうくんをまもってくれるよ！”お約束”ちゃんと守ってね？しょうくん。 (2021年2月24日 14時) (レス) id: a13c7c5f2d (このIDを非表示/違反報告)
大宮 - しょおく〜んっ！治ってよかったよ。姫のおかげだね(^^♪今日はしょうくんのやさしい顔が想像出来ました！私もつられてずっとにやけてます(*'▽') (2021年2月24日 14時) (レス) id: a13c7c5f2d (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 大宮さん» 私も大宮さんと同じです。そしてあわあわなのっ！に繋がる。笑何で姫ちゃんはあんなに可愛いんだろ？笑誰か教えてほしい。笑 (2021年2月22日 8時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2021年1月17日 11時
