76 / 抑エナイデ ページ27
_____J.
仕事終わり、
誰も居ないトイレの鏡の前で溜め息を吐く。
有り難いけれど、忙しなすぎてちょっと疲れる。
いや、そんなこと言っちゃダメなんだけど
やっぱり疲れる。
「…………………1ヶ月……」
仕事では会うけれど
ふたりで会えなくなって1ヶ月。
不足ってやつ。
触れたいけど我慢してたのに
テーブルの下で手を握られて。
バレちゃダメなのに、でも嬉しくて
ハラハラして、でもドキドキして
心臓の音が漏れちゃうんじゃないかってくらい、
熱が伝わっちゃうんじゃないかってくらい。
それ以上のことなんて出来ないのに
もっと触れたくなって、もっと好きになって。
「………………もう…」
考えれば考えるほど、時間のなさに悲しくなるだけなのに
それでも考えてしまう自分が嫌になる。
鏡に映る自分の顔を見て
考えるのやめよう、と唱えれば。
「あ、やっぱりここにいた」
柔らかい笑みを浮かべた彼が入ってきて。
さっき考えてたことが脳内に蘇って
顔が熱を持ち始めて、
隣に立つ彼から慌てて顔を背ける。
「どしたの、顔真っ赤」
「っな、なんにも…」
「…………………俺のこと考えてた？」
図星を突かれて、つい振り向けば
また、柔らかく微笑んで。
「ふは、図星」
「…っ、だって…」
「ふふ…かわい、…嬉しいよ、ありがと」
恥ずかしすぎてまた顔を背けると
そんな言葉が降ってきて。
それに驚く間もなく、息を吐く間もなく
覗き込まれて、重ねられるもの。
「っ、だれか…きちゃ、」
「大丈夫、ここあんまり人来ないから」
「ねぇ、ん…っ、」
腰に回された手は力強くて
髪から頬に滑り撫でる手は優しくて
でも絡められる舌は、強引で。
壁へ押し付けられれば
俺の腕は自然に彼の背中に回り、
自然に、本能のまま抱きついてしまう。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 和音さん» ありがとうございます(*^^*) (2020年12月22日 16時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
和音 - なんか、恥ずかしかったですが、二人の、こういうの見たかったから、良かったです。なんか、想像したら甘かったです。 (2020年12月22日 13時) (レス) id: 2801f20949 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - つかささん» ありがとうございます！( 笑 ) (2020年12月21日 15時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - こういうのも大歓迎よ！w潤くん最高にエ(自主規制) (2020年12月21日 15時) (レス) id: 4e0d2c6273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年10月16日 16時
