第二十九話:決闘 ページ32
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格技場────普段、授業で使う運動場とは違い、毎年行われる剣術大会などの伝統ある行事に使われるその場所をシャオロンは決闘の場に選んだ。
『格技場とは…随分見栄を張ったものだな』
「決闘にはうってつけやし、目立ってええやろ？」
あの時と同じシャベルを担ぎながらシャオロンは言う。対してAはシャオロンのように目立った武器を所持しておらず、辛うじて手に何かを握っている事だけ見て取れた。
観客席は満席。オーディエンスは勇気ある一年生と学園の実質トップによる決闘の開始を今か今かと見守っていた。
「これより、一年B組ハオ・シャオロンVS二年A組椿木Aによる決闘を始めます。審判は私、江見が務めさせて頂きます」
緊張交じりの声がマイクを通して格技場全体に響く。何故かAやシャオロンより緊張している江見はそのままルール説明をし始めた。
「規定に則り、決闘中の反則行為は禁止。発覚次第失格となります。武器及び魔道具の使用を全面許可し、両者どちらかが戦闘不能で終了となります。開始の合図は私のスターターピストルとさせて頂きます。それでは、両者、初期位置に着いてください」
江見の指示に従って、両者、向かい合う形で初期位置に着く。
「では参ります……3……2……1……」
─────パァンッ──…
スターターピストルが高らかに鳴り響くと同時にシャオロンは駆け出す。
手に持ったシャベルに稲妻を纏わせ、Aに向かって高く振りかぶった。が────
パキンッ……と何かが砕け散る音と共にシャオロンの体が後方へ吹っ飛ばされた。
「！？……対魔力か…！」
何とか受身を取ったシャオロンは黄色の瞳を歪ませてそう呟く。Aの足元には宝石のような破片が散らばっていた。
『御名答。対魔の石は貴重でな。使ってやった事を有難く思え』
深紅の髪を掻き上げ、不敵に笑う。挑発とも取れる言動にシャオロンの闘争心は一層掻き立てられた。
「ふはッ…ええやん。上等やわ」
『次は、私のターンだ』
Aは手に握った幾つかの魔法石を空中に投げ、手で銃を象る。その瞬間、空中に飛び散った魔法石が光を放ち、幾重にも重なる光線となってシャオロンを襲った。
「……ッ、！」
シャオロンは紙一重のところでそれらを受け流し、再度稲妻を纏わせたシャベルで弾く。だが、Aからの猛追は止まらない。Aは次々と魔法石を砕き、光線を放った。
『簡単にくたばってくれるな、ハオ・シャオロン』
「上等ォ……！」
闘争心を剥き出しにして両者は嗤った。
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！ (2020年9月13日 13時) (
レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き！シナリオ面白いです(*´∇｀*)本当に！いい展開！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー！ありがとうございます！！女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…！ もう、好きです！(2回目)無理しない程に頑張って下さい！応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。＠変人系カップル＆シトラ教教組さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴木 | 作成日時：2020年7月20日 22時
