第二十八話:危機感 ページ31
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Aは人知れず危機感を抱いていた。
『やってしまった……』
薄々彼から決闘を申し込まれる頃だとは思っていたが、あれは急過ぎる……
Aの頭の中はシャオロンを如何にあしらうかで一杯だった。
システム上、決闘を申し込まれた生徒会長に拒否権は無く、申し込んだ生徒も撤回する事は出来ない。しかも、人目のつく廊下で宣言されてしまい、もう後戻りは出来ない状態にあった。
恐らく一度戦ったくらいで彼は食い下がらない。実際、前の人生では何度か彼に決闘を申し込まれている。
『流石に何度も相手をするのは面倒だな』
如何したら彼が一度で食い下がってくれるか……
すると、Aの頭に一つの名案が浮かんだ。
『そうか、もう二度と戦いたくないと思わせればいいのか』
いつもの戦法でシャオロンと戦えば、彼は私と戦う事に対して味を占めるだろう。そうなれば、何度も決闘を申し込まれることは目に見えている。
ならば、彼の嫌う戦い方で戦えばいい。
やはり、このような考えが浮かぶ時点で彼女は列記とした悪役であった。そもそも、彼に自身が敗れるという思考が一切無いあたり、傲慢な女王の名に相応しいと言えよう。
一体彼はどんな風に藻掻いてくれるのだろうか。
密かにAは端正な顔を歪めた。
────────…
時は流れて中間考査最終日。
元々頭の出来が良いAはテストの手応えもそこそこに、練っていた戦法の最終確認をしていた。あの男の事だからテスト最終日である今日、決闘を申し込むだろうと予想して。
他の生徒が最難関の問題に頭を捻っている中、Aは我ながら性格の悪い戦法だとほくそ笑んでいた。
テスト終了のチャイムが鳴り響く。
クラスメイトはその開放感に浸りながら、あの問題が駄目だったとか、自分はこう答えたとか興奮気味に話していた。
「Aちゃん、どうだった？」
そう声を掛けてきたのは鈴芽。表情から察するに彼女もそれなりの手応えがあるのだろう、いつもと変わらない穏やかな微笑みを湛えていた。
『特別分からない問題は無かったな。鈴芽は？』
「実は私も。Aちゃん程じゃないけど、魔法薬学は自信あるわ」
暫く二人で談笑をしていると、教室の外が騒がしい事にAは気が付いた。
────来たか
その刹那、教室の扉が勢い良く開け放たれる。
「椿木A！！俺と戦え！！」
『待っていたぞ、ハオ・シャオロン』
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！ (2020年9月13日 13時) (
レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き！シナリオ面白いです(*´∇｀*)本当に！いい展開！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー！ありがとうございます！！女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…！ もう、好きです！(2回目)無理しない程に頑張って下さい！応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。＠変人系カップル＆シトラ教教組さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴木 | 作成日時：2020年7月20日 22時
