【HQ】鈍感少女 vs 元気少女

551. 俺が守る！！ ページ12

赤葦さんがフラフラと外野に出る。

……大丈夫かな、いろいろと。

と、気にしてる私もよそ見をしている隙を狙われるかもしれないので、慌てて前を向く。

すると、目の前にボールが来ていた。

わっ！当たる！

顔面に当たるのだけは嫌だから、とりあえず顔を背けて目をつぶる。

しかし、痛みはいつまで経っても訪れなかった。

おそるおそる目を開けると、目の前にはオーバーハンドパスの状態で立っている山本さんの姿があった。

オーバーハンドパスの状態ってことは、もしかして……と思って天井を見上げると、案の定ボールが上に上がっていた。

さすが、音駒なだけあって山本さん、オーバーハンドパス上手いな……。


山「女マネは俺が守る！！」


男前に言いきった山本さん。

女好きって思ってたけど、意外とかっこいいところあるんだな。


山「岩泉さん！」


山本さんに呼ばれた瞬間に、ハジメがボールを奪取し、間髪入れずに投げた。

ハジメは、運動はほとんどが得意だもんな。

ボールのコントロールももちろん良いわけで、ハジメの投げたボールは、すごい勢いで犬岡君に当たった。


貴「あ、あの！ありがとうございます」


私は、山本さんにお礼を言った。

山本さんがいなかったら、私絶対当たってたもん。


山「い、いえ！あの、もし良かったら、音駒のマネージャーなっていただけませんか!?」


顔を真っ赤にして、そう言う山本さん。

ね、熱中症とかじゃないよね……？

しかも、なんで敬語？

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