183. 価値観に傷つけられる ページ41
能「……しょうがないだろ。僕には、友達も恋人もいないんだ。無個性ってだけで、皆僕のことを避ける。負け犬だって嘲笑われる。生きてる意味なんてないよ……」
能切は声のトーンを下げ、力なく呟いた。
それを聞いた途端、轟もAも同じことを考えていた。
今この現実では、個性によって人の価値が決まってしまう。
轟やAが親にそうされたように、能切は友人にされたのだ。
能「僕は、ずっと一緒にいてくれる人を探してたんだ。無個性だと知っても、僕のことを傷つけない人を。
でも、そんな優しい人なんてずっと傷つけられてきた僕には分からない。
もし、そんな人が見つかっても、いつまでそうしてくれるのか分からない。
だから、ずっと僕のことだけしか考えられないようにしようと思った。
そうすれば、裏切られないと思ったから……」
轟は、思わずAの顔を見た。
Aも、そこまで詳しくは能切のことを聞いていなかったらしく、驚きながら轟を見ていた。
能切の考え方は大分ぶっ飛んでいるが、理由が分かった途端、轟は一気に怒る気が失せてしまった。
能切は能切で、過去に苦労をしていたのだ。
個性で決まってしまう価値観に傷つけられた者同士、そこは分かち合えることは出来そうだと轟は思った。
しかし、轟が何か言うよりも早く、Aが能切に歩み寄り、静かに手を握ったのだった。
214人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
轟推し - とても感動して、目から涙がこぼれました。これからも、がんばってください! (2020年5月9日 3時) (レス) id: 465ea38479 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 続きがとても気になる!!!! 更新頑張ってください! 楽しみにしてます。 (2019年8月22日 11時) (レス) id: 0dcad5eff6 (このIDを非表示/違反報告)
のまーん(プロフ) - きゃーっ!キマシタワー!破壊力パネェ! (2019年8月19日 19時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
日向夏 - 轟くんカッコいい!いつもドキドキしながら読ませていただいてます。毎日更新ありがとうございます!これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月12日 22時) (レス) id: 687d110e3e (このIDを非表示/違反報告)
漓娜(プロフ) - ああ、、、好き… (2019年8月10日 2時) (レス) id: 47b69fc756 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ