165. 完璧な策 ページ23
次の日の昼休み。
操「じゃ、ちょっと待っててね」
食堂へと先にご飯を買いに行く操裁と、それを待つことになった轟。
学校生活の自由時間で、唯一1人でいられる時間だ。
ふうーっと、轟は大きく息を吐いた。
今この瞬間だけは、自分に巻かれた鎖から解放されたような気分になる。
とはいえ、悠長なことはしてられない。
なんとか操裁から離れるため、Aの髪の毛を奪うため、策を考えなくてはならない。
場所は分かっているのだ。
操裁の制服の左ポケット。
いつもそこを大事そうに撫でるのが癖になっていることに、轟はすぐに気づいた。
問題は、どうやってそれを取り返すか。
ポケットなんて、なかなか他人が触れられるようなものじゃない。
それを気づかないように抜き取るのは、至難の業だ。
操裁の気をどこか別のところに逸らさなければならないわけだが、ポケットを気にしないほど逸らせるものというのは、そう多くないだろう。
考えても考えても、なかなかいい案は浮かんでこない。
それが余計に轟を焦らせ、思考力を鈍らせる。
次第に考えが雑になっていく。
誰かに相談したいところだが、操裁には誰にも話すなと言われている。
迂闊に話してAを危険な目に遭わせるのは避けたいし、何より話す時間がない。
暇さえあれば、必ず隣には操裁がいるのだ。
完璧な策だ。まるで隙がない。
強行突破するか、機会が来るまで待つか……。
それにさえも迷ってしまうほどの焦りに、轟は再び溜め息を吐いたのだった。
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轟推し - とても感動して、目から涙がこぼれました。これからも、がんばってください！ (2020年5月9日 3時) (
レス) id: 465ea38479 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 続きがとても気になる!!!! 更新頑張ってください! 楽しみにしてます。 (2019年8月22日 11時) (レス) id: 0dcad5eff6 (このIDを非表示/違反報告)
のまーん(プロフ) - きゃーっ！キマシタワー！破壊力パネェ！ (2019年8月19日 19時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
日向夏 - 轟くんカッコいい！いつもドキドキしながら読ませていただいてます。毎日更新ありがとうございます！これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月12日 22時) (レス) id: 687d110e3e (このIDを非表示/違反報告)
漓娜(プロフ) - ああ、、、好き… (2019年8月10日 2時) (レス) id: 47b69fc756 (このIDを非表示/違反報告)
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