430. 立場逆転 ページ30
貴方side
4日目は、午前中からずっとイライラしてた。
ハジメがあんなことするとは思わなかった。
來埜崎さんは具合悪いのに……。
でも、なんであそこにハジメがいたんだろう?
怪我でもしたの?それとも、単に來埜崎さんを狙って?
梟谷戦、ブロックで跳んだハジメを見ると、その左指に目がいった。
白い……もしかして、テーピング?
突き指したから、私の事探してたのかな?
それか、保健室に行って自分で手当てしようとしていたか。
そこで來埜崎さんに会って……って、來埜崎さんは寝てるはずだから、保健室に入っただけじゃハジメと会わないよね。
やっぱり、ハジメは意図的に來埜崎さんに会った……ってこと?
でも、2人に接点なんてないはずじゃ……。
その時、ふと1日目のことを思い出した。
來埜崎さんが、音駒のスポドリを作ったことを私に頼まれてやったと言ったこと。
もし、あの時のことでハジメが來埜崎さんに声をかけたとしたら?
あの話は一件落着したし、ハジメがそんな根深い人だとは思わないけど、接点があるとしたらそこしかない。
だとしたら私、ハジメに酷いことを言ったことになる。
あの時は、來埜崎さんの胸ぐらを掴んでいたハジメを見て、ついカッとなってしまった。
私の悪い癖だ……これもいい加減治さないと。
私、ハジメのことを裏切っちゃった。
ハジメは今まで何度も、私のことを信じて助けてくれた。
徹が信じてくれなかった時も、ハジメは私のことを信じ続けてくれた。
それなのに、私はハジメのことを疑って、怒鳴った。
ハジメの言い分すら聞かずに。
マネージャー同士で揉めた時も、皆はいつも両方の言い分を聞いてくれた。
疑われそうな状況にいつもいた私は、それがとてもありがたかった。
それなのに……いざ立場が逆転すると、私は疑って決めつけることしか出来なかった。
ハジメは、きっと幻滅した。絶対怒ってる。
謝らなきゃいけないのは分かってる。
でも、謝って許してくれるのか、不安だった。
許して欲しいって思ってしまうのは、都合か良すぎるかな?
結局、ハジメに何か言われるのが怖くて、私は今日1日、ハジメを何となく避けてしまった。
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すいま - さすが。おつよい。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: cbeac085fa (このIDを非表示/違反報告)
なな - 私くれはさんの小説大好きだよ!!!だからこれからも頑張って!! (2020年10月18日 21時) (レス) id: 260f58deaf (このIDを非表示/違反報告)
游 - 最近忙しくて、コメントできてなくてすみません…。もう1年たったんですね!!早かった…。今も昔も、変わらず大好きです。応援してます! (2019年7月31日 20時) (レス) id: be253de246 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーや(プロフ) - 1年おめでとうございます!!これから鈍感少女シリーズ楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 20時) (レス) id: 2f26a9a0e1 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 面白すぎて一気読みしました!荒らしにめげないその精神がすごいと思います!これからも頑張ってください! (2019年6月30日 15時) (レス) id: d635d54193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれは* | 作成日時:2019年6月14日 19時