そうだ、兵庫に行こう 29 ページ31
「あの子、ストーカー気質みたいで。マネージャーでもない子に仕事を押し付けて、ずっと侑さんと治さんに引っ付いていたから、手に負えないって私が呼ばれたの。証拠を出すまで引き下がらなくて大変だったわ」
そうだったんだ……。
そういえば、瑜伽さんが青城に来た時に、兵庫に転校するって言ってたような。
それが、ここだったんだ。
「マネージャー辞めたあと、しばらくは大人しくしとったんや。でも、瑜伽さんがいなくなったって知った途端、またギャラリーに顔出すようになってもうて……。そしたら、じっと若葉さんのこと見つめとるやん?これはあかん、と思って……」
「その子、前にも侑さんに近づいた女の子に死んでって言ったことがあって……。もしかしたら、って思ったらやっぱり今日は若葉さんが狙われていたのね」
侑さんの説明に、瑜伽さんが補足する。
2人は分かってて、警戒していたんだ。
多分、私がトイレに行く時に、ギャラリーから移動するところを2人も見てたのかな?
きっとそれで気づいてくれたんだ。
宮城でも私に何かしてくる人は何人かいたけど、まさか兵庫でされるとは思わなかった。
しかも、こんなフラッシュバックするほどになるなんて……。
「気ぃ落とすことないで」
そう声をかけてくれたのは、北さんだった。
その声に、私は自分が知らぬ間に俯いていることに気づいた。
「若葉さんは何も悪いことなんてしてへん。向こうが勝手に因縁つけてきただけや。せやから、堂々としとったらええ」
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