【HQ】鈍感少女番外編6 (ページ4)

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そうだ、兵庫に行こう 2 ページ4

後ろが気になりつつも、私と金田一は国見に言われるがまま、国見の家にお邪魔することにした。

玄関に入るなり国見はすぐに鍵を閉め、バタバタとリビングへ走っていく。

私と金田一は、国見が戻ってくるまでただ黙って待っていた。

「今、不審者が家の前を彷徨いてるって警察に電話してる。若葉、岩泉さんに一応連絡しといて。帰りが遅いと、あの人心配しそうだから」

戻ってきた国見に言われて、私は慌てて携帯を取り出した。

でも、なんて言ったらいいのか分からない。

正直に誰かにつけられました、って言ったら、ハジメは大袈裟なくらいに心配しそうだし……。

それに、まだ誰が狙われていたのか分からない。

私じゃなくて、金田一か国見かもしれない。

それが確定していないのに言うのも、なんか自意識過剰みたいな感じがして上手く言えない。

すると、モタモタしている私に痺れを切らしたのか、国見が「貸せ」と携帯を取り上げた。

あ、ちょっと、トーク画面開きっぱなしなんだけど……。

私がそう言う暇もなく、国見はハジメに通話をかけ始めた。

「あ、もしもし岩泉さん。お久しぶりです、国見です。実は、帰り道誰かにつけられてて……警察にはもう連絡しました。……はい、お願いします」

淡々と要件だけ伝えた国見は、すぐに通話を切ってしまった。

私が横から何か言う暇もなかったんだけど……。

国見、こういう時って本当に隙がないよね……。