第52羽 ページ6
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駄目だ、良い子すぎて泣いちゃう。代わる代わる子供たちを撫でながら零れそうになる涙を必死に我慢した。
「はい、リンゴ剥いたから、食べれそうだったら食べて。」
『哀ちゃん…』
引っ込めた涙がまた出そうになった。苦笑しながら何故か哀ちゃんに撫でられた。
『蘭ちゃん…このお花そこの花瓶に飾ってくれる…?』
「分かりました!」
私が何か頼むと嬉しそうに返事する蘭ちゃん。一瞬にして病室内は果物やらお花やらで華やかになった。
コンコン。
再びドアがノックされる。
「Aさん、生きてますか。」
『安室さん!』
私の顔を見て、ほっと安心したように肩を下ろす。そんなにやつれているように見えていたのだろうか。確かに人より顔色は悪めだけど。
「安室さん!お見舞いですか?」
「蘭さん、それもなんだけど……実はAさんにお話があって。」
『お話?』
「落ち着いたようなので、事件の事情聴取をしなければならなくて…」
「あっ、そうですよね、ごめんなさい、子供たち連れて来ちゃって…」
蘭ちゃんはハッとして申し訳なさそうな顔をする。
「いえ、子供たちも心配だったでしょうしね。でも今日のところはすみません。」
「はい!じゃあ皆、お邪魔にならないように帰ろっか。」
「ええー!やだ!歩美お姉さんと居る!」
「俺も!」
「僕も!」
帰りたくない、一緒に居る、と駄々をこねる子供たち。どうしよう、私が心苦しくなってきた。
「ふふ、愛されてますねぇ。」
にこやかに見守る安室さん。見てないで助けて、泣きそうだから。
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only07(プロフ) - ベルモットとオリヴィアちゃんが幸せになってほしいです……! (1月14日 20時) (レス) @page45 id: 621931103c (このIDを非表示/違反報告)
おかき(プロフ) - 続きが気になりすぎて眠れません🥺更新待ってます!!!! (12月11日 21時) (レス) id: 3161f0695a (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - とても好きです…🥹 (11月26日 22時) (レス) @page43 id: f83a603b36 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - あああああああ好きです (9月16日 19時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - ベルさん» ほんとですか!泣長ったらしいお話ですが付き合っていただけたら嬉しいです!コメントありがとうございます! (6月19日 1時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:full. | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2023年3月10日 20時