広い空の下で～約束～１ (ページ9)

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普通じゃないこと-1話ページ9

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あれから一日が経ち、なんとなくだけど一日の流れを理解した。仕事さえやっていれば自由に過ごせるみたいで、見かけによらず優しい人達だった。

「おい!!」

『はいっ!!!?』

「それ、いつ終わる」

『へっ…？』

ぼんやりしながらお皿洗いをしていた時、突然怖い顔して話しかけられたかと思えば、予想外の質問で気の抜けた声が出る。

「いつ終わるのか聞いてんだよ!!!」

『あと5分もかからないと、思います？』

「早く終わらせて外に来い。少し用がある」

怒ったような口調で命令されたって素直に行くわけないじゃん。
そもそもなんで怒ってるんだろうか。

「おい!!!聞いてんのか?!!!」

『あっはい!!すいません!!!すぐ終わらせます！』

……あ。

仕方ない、早く終わらせよう。

＿＿＿＿＿

＿＿＿

あの後、私の仕事が終わるのを待ってくれるわけでもなくどこかへ行った彼を探して歩き回る。

呼び出しておいて居ないってなんなの全く…… なんて。
私のせいで怒っている可能性がある今、そんなこと言えるはずもなく、小さく溜息をついてもう一度辺りを見回していると、突然腕を引っ張られ、そのまま外へ連れて行かれた。

「おいステラ!!どこに行くんだい?! 洗い物は!!!」

『洗い物は終わりました！
ほかの仕事は帰ってからします!!すいません！』

どこから見ていたのか、ダダンさんの声に謝罪を返し、腕を引っ張られるまま、山奥をどんどん進んで行った。

『あの〜エースさん、どこに行くんですか？』

「……」

『用って一体何ですか？』

「……」

無言に耐えきれず話しかけるが思いっきりスルー。
それでもこれだけは聞いておかないと、と睨まれても気づいてないふりをして一方的に話し続けた。

『あのー？』

「さっきからうるさいんだよ!!!黙ってろ!!!」

さすがにしつこくし過ぎたらしい。怒鳴ってさっさと先に行ってしまった。
……ウザイって言われる前に話しかけるのは止めておこう。

それにしても私、これからどうなるんだろう。今すぐにでも帰りたいけどここがどこか分からない以上追いかけるしかない。

でも……
ほんのちょっとだけ。

この先に行きたいと思った。
この先にある＂なにか＂を知りたいと思ったから。

それに彼のこともなにか分かる気がした。
そりゃあイラッとはするけど、でも。

───このままじゃダメだと誰かに言われている気がした。