広い空の下で～約束～１ (ページ28)

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4話ページ28

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朝起きるといつも通り良い匂いのする飯が並んでいることに慣れてきた今日この頃。サクの隣にドスッと腰を下ろせばどこか空気がピリついていることに気が付く。

少し周りを見渡せば簡単に答えにたどり着いた。

「なんかステラのやつ、機嫌悪くないッスか」

「だよな、飯も少ねェし」

隣のサクが聞こえないようにとちっさい声で喋りかけてくる。
が、その努力も虚しく聞いていたらしいステラにギロリと睨まれた。

「おいステラ！何だこの飯は!!?」

『文句ですか。いらないなら食べなくて結構です』

「ﾁｯ」

お頭にも一歩も引くことなく言い返しさらには黙らせたその手腕に拍手を送りたくなる。まあ、そんなことしようもんなら両方面から怒られるだろうからせんが。

それにしても何があったんだとスープを飲みながら考えてみる。いくら腹を立てていようが、量が少なかろうが、味は変わらず美味かった。

「馬鹿ステラ、余計なことすんなって言っただろ」

『これはエースを庇ってるんじゃなくて私の感情。
私が嫌だったから怒ってる。
だからエースには関係ありません』

「はァ!!?」

『分かったらさっさと食べてもらっていいですか』

バンッと音を立てエースの前に朝食を置き立ち去る。
話を聞くに、たぶん昨日のお頭の話を聞いてたんだろう。
それでなんでエースにキレてるのかは分からんがエースのことだ。余計なことでも言ったんだろう。

少し気が遠くなった。

それから一週間後の夜────……

「お頭っ!!ダダンのお頭っ!!」

「ルフィの奴、帰ってきやがったぜ!!!」

最近ようやく機嫌が戻ったステラの手伝いをしていると外が騒がしくなる。どうやらルフィが生きていたらしかった。

「コイツ…生きてやがったのかいっ!!」

「まーまーお頭」

「おめェ一体どこ行ってたんだよ!!!」

「まーまーお頭。
お前どこで何してたんだ」

「…谷の下で狼に…
追いかけられてた…」

顔や肩から血を流すルフィを見たステラが急いで部屋に戻っていく。狼に追いかけられたと言う割には軽傷で、五体満足で帰ってきたということは大層頑丈な身体という証拠。そこまで慌てる必要もない気がするがステラにとっては違うんだろう。

「谷底!?何しに行っティたんだ!?」

『それより今は、手当てが先です！』

ドグラを遮ってルフィの治療を始めたステラはどこか泣きそうに見えた。